「病院 掌編」を含む小説

人類が滅びた後、偶蹄目が文明を築いた地球。一角獣が病院を訪れ、切々と訴えかけた。「私をフタエ角にしてください。ずっとヒトエ角がコンプレックスだったんです」 短編SFコメディ。

真夏の苛烈な太陽の下を１人黙々と歩く男が居た。汗で濡れたシャツが体に張り付き不快指数は絶望的に高い。風は吹くが、それは熱風で森坂の小太りな体を癒やす事は無かった。競馬で負け、電車…

「おい拓也、セックスしようぜ！」末期癌のヒロにそんな誘い方をされて、俺はウンザリ顔であしらうしかなかった。できるわけないだろ！　病室で、死にかけのお前に！　だがお前の死に向き合う…

夢の中のサラダはしっかりとした日本語を喋っていた。サラダとは克己が小学生の時に飼っていた雌の柴犬の事だ。「ペットは絶対に駄目よ」と拒否する母親を１年以上も説得して、やっとの思いで…

生まれついたその時から私の苦労は始まっていた。不法滞在、不法就労中の母から隠すように産み落とされた私は、母親ごと捨てられて、母親からは私をどこだかの病院の近くに段ボールに入れて捨…

春。ある一人の男が目を覚ました。 それから「私」は、巡りゆく季節のなか、男の姿をそばで見守る。 一人の男と「私」が過ごした、春夏秋冬の物語。

中央材料室で働いていた私は、この作業が大嫌いでした。

とても短い詩です。あっという間に読めます。

ある病院に入院中、奇妙な光景を目にしたぼくは、清掃員の男から不思議な話を聞かされる。

近未来の総合病院。 心療内科医、田口医師は人間とロボットの両方を診る。 というショートショートです。

花粉症の診察のためにおとずれた病院で、コウタは不思議な男にあった。 それは大空に向かって両手を掲げて、あたりを練り歩くヘンナヒト。 彼は一体何者なのか――。 2016年の個…

「頭がプリンになっちゃったから、病院いってくる」 　彼女からのその電話に俺は走った。

ちょっと嫌な気分になるショートショート（笑）。導入部はわりと実話に近いです。

ある日、ふと嗅ぎつけた香りが以前の恋人の匂いに似ている気がした青年は、それを自ら再現しようと考えたが……。◆自主企画のお題（何故か消滅）を目にして考えついた、ある種のフェティッシ…

【掌編】ある病院を訪れた患者は小さな少年だった。 彼の喉は奇妙な病に侵されていた。医者たち匙を投げる中で「ブラッククイーン」と呼ばれる女医だけは、高額な報酬を要求する代わりに完治…

学校で、廃病院に少女の幽霊が出るとの噂が聞こえてきた。

これは、精神病院で働く医者のちょっとした話。 あるいは、自分を騙す嘘の話。

　日本を悩ませる謎の病気を、薬も手術もせずに治すと評判の名医がいる。 　うちの病院の先生だ。 　先生は、一切の治療をしない。聴診器すら使わない。 　なのに、なぜか病気は治る。 …

筆者が考えていることを述べよと言われても、僕にはわからない。 ただ、この言葉は美しいかと問われれば、僕は即答できるだろう。 僕は考える。僕自身のこと、すれ違う人のこと、好きな小…

小学生の頃病気がちだった僕は、ある日、熱を出して一人で病院に歩いて行った。朦朧とする中、一人の少女が僕のことを手助けしてくれた。元気そうな様子だった彼女と中学校で再会するが、三年…