血の少女
ツヨシ
第1話
僕は学校でいじめにあっていた。
いじめていた相手は、シンイチ、ケンタ、ショウジの三人だ。
いじめの内容はこづかれたり、物を取られたり、使いっぱしりをさせられたり、便器の中の水を飲まされたり。
他にもいろいろとあるが、まあ全国的によくあるやつだ。
親にも言ったし先生に相談したりもしたが、まるでらちがあかない。
基本的に学校は、うちはいじめなんてない健全で平和な中学校ということにしたいのだから。
そんな中、夏休みまであと十日ほどというときに、突然降って沸いたようにある噂が立った。
学校近くにある廃病院に、女の子の幽霊が出ると言うのだ。
廃病院は去年の末に廃業したばかりで、まだ見た目にも新しかったためか、これまで怪しい噂など立たなかったところだ。
「本当に見たんだから」
見たと言う男の子が、これ以上はないという真剣な眼差しで強く主張した。
その子の家は廃病院のすぐ近くにあったし、普段は嘘をつくような子ではなかったために、その証言はなかなかに信憑性が高かった。
それを聞いたシンイチが言ってきた。
その後ろにはいつものようにケンタとショウジが控えている。
シンイチは僕に、その廃病院へ行けと言うのだ。
僕は気が弱く、それがいじめの主な原因となっているのだが、暴力的なこともそうだが、幽霊とかそういった類のものもとても苦手としていた。
三人はそれを知っていたのだろうと思う。
僕に関することなら、どの同級生よりもよくわかっていたのだから。
「忘れたらどうなるか、言うまでもないよな」
シンイチがそう言って、教室を出て行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます