「日本古代ファンタジー」を含む小説

「なぜそなたは生贄に選ばれた」 「それは、わたしが忌み子だからです⋯⋯」 まだら肌一つで、少女の運命が大きく変わる。しかしそれは必然か？ もし国生みの神がイザナギとイザナミ…

——四年前、私、源マカは唯一の肉親の兄を失い深く心が傷ついた。 　あれから苦痛の四年が過ぎ、突如私の前にカグヤと名乗る天女が現れた。最初は嫌々ながらカグヤを引き取ったものの、気づ…

七洲を統べる大皇の娘として生まれた夕星には前世の記憶がある。だれにも打ち明けられない秘密を抱え、暗い森の古宮に隠れ住む日々。心の支えは双子の姉媛・明星だけ。 しかし、海を越えてや…

稚沙と椋毘登の2人は、彼女の提案で、歌垣に参加するため海石榴市を訪れることとなった。 そしてその歌垣後、椋毘登が稚沙に、彼が以前から時々見ていた不思議な夢の話をする。 その夢…

豪族葛城の娘の韓媛には1人の幼馴染みの青年がいた。彼の名は大泊瀬皇子と言い、大和の皇子である。 一方大和では、大王の第1皇子である木梨軽皇子が、同母の妹の軽大娘皇女と道ならぬ恋…

息長筋の皇女の忍坂姫は今年15歳になった。 父の稚野毛皇子は、彼女の婚姻相手に今の大王の弟である雄朝津間皇子を考えていた。 忍坂姫と雄朝津間皇子の婚姻の話しは、稚野毛皇子と、…

吉備の海部の娘である佐由良は、祖父からの指示で、采女として大和に行くよう告げられる。 そして大和で彼女は、先の大王の皇子である、1人の青年と出会った。 だが彼は、吉備に対して良…

天象が読める風神の末裔・夕星は、ある日故郷と許婚を失う。 姿のない近衛・葉隠に助けられ、落ち延びた筑紫洲。 そこで大国を統べるのは、日の神の末裔の巫女・日向大王だった。 大王に仕…

　妹と一緒に訪れた三輪山の頂上で不気味な声を聞いた天野颯は下山を急ぐ。しかし、三輪山を下りたはずの二人の前に現れたのは、登山口の神社ではなかった。 　あてどなく彷徨う二人はやがて…

【毎週土曜日更新（２月中）】どこにでもいる高校生の少年が、どこにも記録が残されていない時代に囚われた、最愛の幼馴染を救うために戦う。とても小さな英雄の、想いと覚悟のものがたり。 …

大切な宝珠を失くした姉姫の罪をかぶって処刑される代わりに、姉姫の身代わりとして、ある男の守り人になることを命じられた少女、セイレン。 仕えることになった男は、淡海と海の水運を司る…

戦乱の国。人々は富を求めて殺し合う。村は消え、多くの命が奪われ、かつての穏やかな日々は遠い夢のように感じられた。そんな中、奈摘女は巫女として祭祀を行い、舞を踊る。荒ぶる魂を鎮める…

　まだ奈良の平城京が｜寧楽京《ならのみやこ》と呼ばれていた時代。 　｜神亀元年《西暦７２４年》陸奥国多賀城の地下で｜巨人《おに》の骸が発見される。それは蝦夷の言葉で｜久那吐《ク…

💧嘗ての大地に雨降らしを担う一族がいた その名も雨の一族 彼らは特殊な雨笛と共にその名に見合った雨を降らす その中でも最も竜神様に愛されたとされ　里を統治する巫女がいた 彼…

産まれると同時に母親を亡くした少年、武ノ森曜（たけのもりよう）は、毎年誕生日に父親から渡される母の手紙を心待ちにしていた。 死を予期していた母が綴ってくれた、誕生日を迎える自分へ…

〜酒涙雨で終わりにしようか〜より。白夜狐が、守って来たのは、八百万神の国の歴史。祖先は、大陸の未高からやってきた。使用する言語が何よりの証拠。最後のパズルのピースが導かれるように…

　東果てにある島国、常若の国。その国の女王（ひめみこ）として生まれた丹生（にう）は、大君をお支えする臣下になることを定められていた。 　やがて成長した丹生は、大君の後継ぎである円…

この世は中つ国と呼ばれ、色の名を冠した国々があった。北方に黒の国またの名を玄武国、南方に赤の国またの名を朱雀国、東方に青の国またの名を青龍国、西方に白の国またの名を白虎国という。…

この世界を表す言葉のひとつに、「風を制するものが世界を制す」というものがある。 世界は、地中から吹き出る暖かい〈龍風（ルホウ）〉によって出来上がった、という通説を、よく表した言葉…

【阿蘇　大鯰】 一話完結。 今は狗奴国の卑弥弓呼と知られる草部男王が統べる阿蘇国でのこと。 女官の久々知彦は阿蘇の五十鈴姫に頼まれ、阿蘇を害する蟒蛇（うわばみ）の討伐に出る。 …