「文字禍」を含む小説

ネウリ部族のシャクに、憑きものがしたという。遊牧民に殺された弟の魂が乗り移り、しゃべっているのだと思われた。しかし、憑きものは段々とシャクとは関係のない人間や動物の言葉となってい…

エジプトへ侵攻するペルシャ軍のなかに、パリスカスという武将がいた。彼は、エジプト人の捕虜が話しているのが耳に入った拍子に、自らがエジプトの言葉を理解できることに気付く。やがて、木…

三造の伯父は、狷介にして善く罵り、人をゆるすことを知らない人物であった。伯父の死後、彼の著書を図書館に寄贈するよう親族より託された三造は、躊躇しつつ、その生き様を思い返すのであっ…

朝鮮半島での、子ども時代の記憶。出身国は違えど、友情を築いた相手との思い出、そして別れ。角川文庫『文字禍・牛人』所収。（※キャッチコピーは本文抜粋）

叔孫豹はある夜、夢を見た。天井がどんどんと落ちてくる悪夢の中で、牛に似た男に助けられる。数年後、息子だと名乗る、夢で見たのとそっくりな、牛に似た男に出会う。叔孫は喜んで、彼を重用…

アッシリアにある世界最古の図書館には、毎夜文字の精霊が出るという。文字に支配される人間を寓話的に描いた短編。角川文庫『文字禍・牛人』所収。 （※キャッチコピーは本文抜粋）

簡素な要素ばかりの小説です。「ことば」で壊れてしまうだけの登場人物たちの迎える展開とは。 昔、ブログに掲載していた小説群です。

「鏡よ鏡、この国で二番目に美しいのはだあれ？」 　女王さまはうぬぼれの強い人でした。一番は自分だと、根拠もなく思い込んでいました。 　童話の『白雪姫』に中島敦の『文字禍』の要素…

アッシリアの王、アッシュール・バニ・アプリは「文字の霊」に憑かれている。 彼は国中の書物を集め、全ての文字を収めた図書館の建造を熱望する。 そんな彼の計画に従事する司書が一人。 …

文字に寄生した生物と、彼女を助けるため３時間ごとに文字を書くと約束した小説家をえがく、短編童話。