概要
どうやら彼の作為らしいと思われ出してからも、聴衆は決して減らなかった
ネウリ部族のシャクに、憑きものがしたという。遊牧民に殺された弟の魂が乗り移り、しゃべっているのだと思われた。しかし、憑きものは段々とシャクとは関係のない人間や動物の言葉となっていき…。角川文庫『文字禍・牛人』所収。
(※キャッチコピーは本文抜粋)
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!憑かれて。詩人、もしくは語り部
本作は総題『古潭』のなかの一篇。
ちなみに『古潭』は四篇あり、「狐憑」「木乃伊」「山月記」「文字禍」。
ヘロドトスの『歴史』から材をとった作品。
詩人、もしくは語り部の走りであるひとの、本人もまわりも当然それであると分からず、憑きものだとする。
ただおもうのは、憑きものであることは変わりないのかもしれぬ、ということ。
書き手というものは。
また、それだけの打ちこみ方ができぬようでは、と思われもする。
私事だが、1話仕上げるのに、最低7、8時間。10時間12時間はざらにかかる。仕事をしながら、合間合間を縫って、は憑きものでなければそんなことはできかねようし。
なにかそういう、書き手を励ます…続きを読む