「ホラー未満」を含む小説

人は誰しも、壊れた部分を持っているという。 初めて食べた、同級生の指の味が忘れられない。宮野 健には人肉食を好むという悪癖があった。 食べるために人を殺め、椿の最後のように頭部…

五階建ての白いマンション４０２号室に住んでいた僕のちょっと奇妙な体験集です。

公式自主企画「怖そうで怖くない少し怖い」話、というのを見て「そういえば全く怖くないけど不思議な事はあったな」と思ったので投稿しようと思った次第です。 母の友人の奥様に依頼？され…

もう一度、あのひとに会いたい。 かつて恋人から聞いた不思議な伝承――立夏のひとつ前の十六夜の夜、翡翠川の上流の佐砂井の郷で、二度と会えない人にもう一度会える――を信じ、不如帰山…

僕たちが住んでいる村には雲現人神という信仰がある。焼村と言われるほどに雨が降らない地域である。盆の終わり、街から水道管が壊れてしまったことで、熱中症の子どもを回復させるために村の…

私の高校には七不思議がある。四時に昇降口の鏡を見ると失恋するなど、六つまでは何に影響を及ぼすか明確だ。しかし、七つ目の旧校舎の北から南へ窓の六番目は絶対に割れないそしてもし割ると…

あらすじ。 『新居』私は家賃月三万の部屋に住んでいる。ある夜、睡眠時に天井を何かが動く音が聞こえた。 『いきもの』数年前に亡くなったバイト先でお世話になった先輩の家にお参りに行…

神喰なんてのは、ほんとは良くねえ名前なんですよお。 犬でもひとでも神でも食い殺す、罰当たりでおっかねえで奴らだって、あっちかし人間に言われとるです。 けんど、ほんとに神喰家の男は…

　出戻った幼なじみの手を引いて、無理に出かけるのは実に十年ぶりのこと。 　ひたすら南下すればいつかは辿り着けるのだろうか。初めて手を握ったあの夏祭りの夜に。 【お題】トロピカル…

「廃都」と呼ばれる半放棄された都市で、比較的上流の家庭で生まれ育った高校生の薬袋艾（みない・もぐさ）には幼馴染がいる。その幼馴染・毒島鈴蘭（ぶすじま・すずらん）はヤンキーから足を…

僕、加賀地大介は、趣味のグッズ漁りのために街まで出てきていた。 その帰り、僕は朝倉博之と名乗る、ひとりの男の人に声を掛けられたんだ。 「大介！ 大介じゃないか、久しぶりだな～…

社会人のよくあるネタです。 半分以上本当のお話。そんなわけないよ。ないよ？ KAC2022 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022～ 10回目お題『真夜中』

相対的に人より間が悪くて、運も悪い。そんな「私」のホラー未満のお話。1話完結なのでお好みのタイトルからお読みください。

夫の転勤で東京で暮らし始めた早希は、故郷にはいなかった奇妙な『虫』をあちこちで目にするようになった。大きさ十数ミリしかないその『虫』は、人間の形をしていた。 ※注意・私の作品に…