概要
神喰家の男は、みんなおっかねえ化けもんみてえなもんばっかですけえ
神喰なんてのは、ほんとは良くねえ名前なんですよお。
犬でもひとでも神でも食い殺す、罰当たりでおっかねえで奴らだって、あっちかし人間に言われとるです。
けんど、ほんとに神喰家の男はそんなんばっかです。そういう血筋です。
祟りや流行病が蔓延る寒村の地主、神喰家。
恐ろしい男ばかりが生まれるという家の三男が冷え込む夜に、血と因縁の物語を語り出す。
気性の荒い父。家に耐えかねて死んだ長男。病弱だが父譲りに似た激情を持つ次男。叫ぶ人面瘡を顔半面に負って生まれた三男。村外れの祈祷師の美しい息子。
最も恐ろしい男は誰か。
陰湿因襲寒村ホラーです。闇の兄弟ブロマンスかもしれない。
第五回こむら川朗読小説大賞に参加するために書いた短編です。
犬でもひとでも神でも食い殺す、罰当たりでおっかねえで奴らだって、あっちかし人間に言われとるです。
けんど、ほんとに神喰家の男はそんなんばっかです。そういう血筋です。
祟りや流行病が蔓延る寒村の地主、神喰家。
恐ろしい男ばかりが生まれるという家の三男が冷え込む夜に、血と因縁の物語を語り出す。
気性の荒い父。家に耐えかねて死んだ長男。病弱だが父譲りに似た激情を持つ次男。叫ぶ人面瘡を顔半面に負って生まれた三男。村外れの祈祷師の美しい息子。
最も恐ろしい男は誰か。
陰湿因襲寒村ホラーです。闇の兄弟ブロマンスかもしれない。
第五回こむら川朗読小説大賞に参加するために書いた短編です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!薄暗い寒村での昔語り
古くから続く村とそこに住まう一族の因習を、
外から来た者に、ぽつりぽつりと話す、
どこか卑屈な男の一人語り。
戦前の、大正、昭和初期辺りの、
暗く寂しい村の雰囲気がよく表れています。
この文章を読んでいると、
白黒の、木々に埋もれた、
寂れた陰鬱な村の情景が浮かび上がり、
読者の没入感を高めてくれる事でしょう。
DV夫っぽいw 次男と、三男の関係が好きです。
手を上げる事があったとしても、
どこか、兄弟の絆を感じました。
この物語を男は、その一族の出と、
自身に言い聞かせる為に語ったのかなとも。
薄暗い過去の闇の中にあったかも知れない、
不気味で不可思議で残酷な場所。
あなたもたず…続きを読む - ★★★ Excellent!!!地獄のような家のおぞましい男たち
とある寒村、「神喰(かんじき)」と呼ばれる家の、恐ろしい男たちのお話。
田舎の地主の家を舞台にした和風ホラーです。
このどろりと膿んだようなおぞましい雰囲気!
方言による語りの味わいも相まって、もう読んでいるだけで何か瘴気に当てられているかのような、独特の重苦しさがありました。
しかも内容もまた本当に強烈で……いやもう揃いも揃ってこの男たち……。
いわゆる田舎の歪んだ因習のような、人の行いの邪悪さもあれば、「勝手に叫ぶ人面瘡」といったものまで、いろんな種類の〝厭〟なり〝恐〟なりがみっしり詰まっています。
個人的には作之治さんが好き。単純に顔がいい男が好き、というのもあるの…続きを読む