「水底」を含む小説

一ノ瀬三波は、一番星に恋をしている。 臆病で、二の足を踏んでばかりで、触れたいけど触らないで欲しい二人の、恋のお話

よく、井戸の底には死体があるという。本当かどうか知らないけれど。 それじゃあ、イドの底には何があるのかしら。 どちらも、何があったって構わないけど……覗いて見たい。

町がひとつ沈んでいる湖の噂を聞いて、夜の湖へやってきた私。 そこで不思議な青年と出会い、私は水底に沈む町を覗き見る。​ ​人は湖底に何を見るのか。何に憧れ、何に安らぎを感じるのか。

海の底に行ったまま帰らなかった父さんのことを想い、海底に憧れる僕。 夏のある日、僕は兄さんと一緒に宵町の風鈴市へやってきた。 ​ふしぎな町を舞台にした、ある家族のお話。

麗しの美少年に育った幼馴染は、たった十二年でその生涯を終えた―― その後、私は結婚の約束をした彼氏を連れて実家へ帰省した。そこで私は、在りし日の幼馴染の姿をした、「池のヌシ」と名…

水に潜ることが好きな私は、キャンプを抜け出して夜の皆摸川に潜る。すると川底から自分のお葬式の声が聞こえてきて、私は一つの真実を目の当たりにする。

おばあちゃんの家に、私はよく行っていた。何も喋らず、ただ、居た。

愛を問うたファンタジー短編二編を収録した処女作です。 「水底で光る」 つくりものの塔で“ひとり”の双子と青年は出会う。開いていく世界の中で彼らが見つめあう自身の姿と心のゆくえ。…

高校三年生の生稲龍二は、数年前から体の変化に悩まされていた。 水かきが河童のように伸び始め、皮膚には魚類のような粘りが生まれ、踵は鱗のように割れ光沢を始めていた。 それが人魚のよ…

記憶にないが、知っていることがらについて。 第一回雨野川小説大賞への参加作品です。

かつて沼で美しい人魚に出会ったという男のインタビュー書き起こしです。 ※微ホラー ※もちろんフィクションです

シリーズ第三弾。 東京から鳥取県の若桜町に引っ越して来た小学六年の少女、今野イマ。 彼女には幽霊が見えるという秘密があった。 彼女はひょんなことから、ミキと名乗る神獣のキツネの幽…

原稿用紙22枚。 誕生日祝いとして差し上げた作品です。お題は「人以外のものが主人公のお話」。

警察官を父に持つ青野優李は、小柄で中性的な容姿の為に元々からかわれがちであったが、父親が職務中に野犬を射殺したことからより苛烈な虐めを受けることとなる。 そんな中、父親が東京の離…

”私”には青いフィルムを通したように世界が見える。 同居人の立花は、自分の身体に花が咲くのを幻視する。 2人で過ごす日々は、穏やかなままに過ぎていく。 　私の青と彼女の花が、…

中堂は愛人をしていた男に別れを告げられる。手切れ金として住まいを与えられた彼の元に、男の紹介で来たという青年が訪れる。当て馬か？　中堂は青年を籠絡することにした。奇妙な同居生活の…

世界と出生を呪うふたりの少女が出会い、狂気を育んで家族と世界に復讐を果たす物語。

年中暖かなとある国に、決まって四年に一度訪れる呪わしき極寒の日。その日は、誰もが家にこもる忌むべき日だ。 ところが、湖のそばの町に住むある少年は、湖水が凍りつくほどの寒さを利用し…

「でも、僕は水しか描けない」 寒さで身体が凍えそうになっても飽きるまで部屋のなかの水底を私たちは泳いた。 夢見がちな「私」は、風変わりな画家・藤野に戸惑いながらも惹かれていく。…