「せ う」を含む小説

　製造設備と生産資材が運ばれて６輌の５式中戦車乙２型「チリオツニ」を組み立てて完成させたのは、石川県小松市に在る小松製作所の工場だった。 　昭和２０年１１月４日、東西南北から本土…

　夜の窓って鏡みたい。それも異世界に繋がっているような不思議な鏡。 　小学五年生の出野詩露《いづるのしろ》はそう思いながら窓を眺めていた。 　この窓から異世界に行けたらいいのに。…

佐久間浩司という三十五歳の男性が麻衣と出会うところから始まる。この男性はいろいろな女性と出会い、付き合いを重ね、自分の知らないところで二人の女性の確執があったり、記憶喪失の女性と…

　誕生日プレゼントがきっかけで魔法使いの素質があると分かった黒羽ソラ(クロハ・ソラ)。そのままの流れで伝説の魔獣と契約したり、なぜか異世界転移&魔法学園に入学することに。その上、…

「深窓の令嬢は、こうして大人になっていく」 退屈だった。 自分のために勉強する日々が。 一生懸命頑張っているが、心はどこか違う方を向きたがる。 そんな日々の中で1人の高校生、優木…

「うわぁ……ここどこぉ……？」 この物語は、異世界に飛ばされた主人公が、やったこともないジャンルのカードゲームの力を与えられ、異世界で生きていく物語。 【召喚】【詠唱】【破棄…

カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト応募作。 はじめまして、猫山春花（ねこやま　はるか）と申します。 今年から中学生になったんだけど、実はとっても大変なことが起こってしまっ…

チャイムが鳴って壁掛け時計を見ると、待合せ時間ピッタリだった。 玄関には、学生時代からの親友、青海静香《あおみしずか》が立っていた。 「チーッス！　ミサキ、遊びに来たぜ！」 「…

公爵令嬢ミレイは、皇太子ギュスターヴのことが苦手だった。 やがて二人は婚約することになるが、そこに愛があるのかミレイは悩む。 全てにおいて優秀なギュス、しかし彼最大の欠点として「…

杏奈は殺人事件のあとはじめてダブルベッドで寝たが、もちろん眠れるはずもなかった。 真夜中をすぎても、暗闇の中でますます目がさえて、窓の外の通行人の足音や遠くの車のタイヤのきしむ音…

「ねぇ鳴亜梨ちゃん、なんか面白いことやってよ」 　わたしの提案に、鳴亜梨ちゃんは顎に手を当てながら言った。 「いいけど……小道具の使用はあり？」 「問題ないよ」 「そっか、ならい…

　大学院生・森平るう子は悪夢に苛まれていた。悪夢の中では彼女は複数の見知らぬ他人だった。国立天文台の野洲から、るう子の所属する大学院情報工学教室教授の宮武に『奇妙な宇宙ノイズを受…

　日本国内の、どこかに聳え立つ大きな屋敷。今から二世紀ほど前の大昔の英国貴族が住まう広大な屋敷の中には一人の主人と六人の使用人が住んでいる。主人の名はヴィアトリカ・ビンセント。幼…

　運動？　したくない。戦？　もっと嫌だ。 　本を読んで、薬草畑の手入れをして、調剤して、研究して、ずっとそうやって生きていきたい。 　でも、それで周りが許してくれるはずもなく――…

　その日、外回りだったサラリーマンの智成　全(ともなり　ぜん)は、直帰の許可が降り揚々と自転車で帰路へつく。 　帰路の途中、全は些細な事から中高生3人組の真中　聖人(まなか　…

　間違えてブラック企業に入社してしまった可哀想なプロ社畜、黒崎。 　ここがブラック企業とはつゆ知らず入社した全力エリート社畜、山田。 　プロの経験とピュアすぎるエネルギーで、二…

《プロローグ》 魔界 ウルスラは魍魎たちが足となってうごく山の古城に独り暮らす 鏡のなかでは人間界で最も大きな国の王子と小国の王女が世紀の結婚式を挙げている。鏡から誓いの言葉が聞…

十二年に一回開かれる、天下一を決める武術大会「龍虎比武杯」。 一か月後に迫った大会に向けて、道士の韓凌白は仲間とともに、長らく仮死状態だった前回大会の覇者・岳伯都を目覚めさせる…

※ あらすじを読んでも、本文とはほとんど関わりはありません。多分。 この物語は短編です。 「そんな事、出来るわけないだろう！！ 」 僕の言葉で全てを変えてしまったキミがいる…

　現実は、御伽話より夢がない。 　けれど、いいことがないかというとそうでもない。 「空木（うつぎ）さん、今日もお話聞かせてくださいな？」 　大学生の俺、空木陸人（うつぎりくと…