「窓」を含む小説

息子の学校に呼び出された。窓ガラスを割ったらしい。黙ったままの息子の背中を眺めながら、私は暴力的な獣を秘めた自身の背中を、そこに幻視する……。 小さな息子の父親として、自分の本性…

一話読みきりです。 こういうのもありということでご容赦ください。 すきま時間にでもどうぞ。

ある日、一人の男の子が死んだ。 その子は重い病を抱えていて、ずっと病院生活をしていた。その病院の窓から外を眺め、ずっと思っていたことがある。 「鳥に、なりたい」 あの青い大空を自…

雨の日にだけ話すクラスメート。窓と雨と蛍光灯が本音を紡ぎ出す。

『ブルームフェザー』。それは小鳥の形をした機械のおもちゃ。 今、この奇妙なペットが子どもたちの間で流行り始めているんだけど…… わたしは、どうしても、この機械の鳥を好きになれな…

古来から「ムジナ」という怪奇の伝説が残る島。 そこに住む哲也と祐樹は、ある日森の中で不思議な石像を壊してしまう。 その日の夜、窓の外に奇妙な影を見た祐樹は……。

フリースタイル&アンカーショット。全7話。 学生時代に付き合っていたふたりの、恋が終わるまでの物語。

日本海の荒波は波の花を舞いながら、灰色の空の下で哭いていた。汽車の窓から覗く疎らな家並みに心細くなりながらも、澄はその荒涼の地に降り立った。

―――この王国には二人の人物がいた 一人は平民の男、もう一人は王国の姫である。 彼らは決して出会うことが出来ない、近くて遠い存在であった。 だが激動の時代と世界は彼らを許さなかっ…

山の上の温泉旅館の窓からは毎朝雲海が広がって見えました。 少年が雲海へ泳いでいくと、あるねこちゃんに出会いました。 ねこちゃんに連れられ雲海に住む動物たちと仲良くなった少年、…

初めて小説を書いたのは七年前の冬になる。高校の文芸部時代、大学の講義やサークル活動を経て腕を磨いてきた。全ては小説家になるために。 七年目の自分にとって、目標までの道のりはまだま…

　学校帰りの駅のホーム。 私が帰る方向からやって来た対面のホームの電車。 その開かない扉にもたれかかるブレザーの背中。 男子生徒たちと笑い合う声は聞こえない。 それは今まで何度も…

通学中の電車の中。背中合わせの窓に映る、自分の後ろ姿。 そしてその「鏡像」に潜むもう一人の「私」と、 その「私」の告げる本当の「私」。 カップラーメンを作る間に読めるくらいの、…

羽佐間乱子は、眉目秀麗、頭脳明晰、ミステリアスな学校一の才女である。 彼女はある日、クラスの窓ガラスを割ったという嫌疑をかけられる。 『学内随一の才女にして問題児、羽佐間乱子。…

これは「普通」ではない幼いふたりの物語。 余裕もなく過ぎ去るその日々の隙間に非日常を感じて欲しい。 どんな人にだってあったはず。魔法使いになって空を飛んだり、海賊になって荒くれ…

山の辺暮らしのこと。 そのほか。 不定期更新。 ※二月七日、『山映る窓』より『光源』へ改題。 ※五月二十四日、更新予定期間を一年より無期限へ変更。

生き別れた祖母からの手紙を受け取った一ノ瀬柚葉は、友人の姫室理宇とともにその住まいを訊ねていく。しかし彼女たちを迎えたのは、無人の廃墟と妖精を象った奇妙な像だけだった。困惑するふ…

レストランの二人 窓から見える外の景色

※毎週水、土曜日　21:00 より更新を予定しております。 さて時は大正、寺前無明という若い男がおりました。 無明の手にあるのは切れ味は抜群だが、意思を持ち全てを斬りたくなる危…

狭い喫茶店だった。 珈琲を飲んでいると窓の外に喧嘩が見えた。 マスターは窓枠に空の一輪挿しを据えた…。