侘び寂び珈琲(140字小説)

塩塩塩

侘び寂び珈琲

狭い喫茶店だった。

珈琲を飲んでいると窓の外に喧嘩が見えた。

マスターは窓枠に空の一輪挿を据えた。

喧嘩の男達は一輪挿の上でくねくねとツルを巻く植物の様に踊った。

間もなくしてパトカーが現れ、一輪挿に赤いパトランプの花を咲かせた。

「朝顔にございます」

マスターの名は千利休。

見立ての天才。

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侘び寂び珈琲(140字小説) 塩塩塩 @s-d-i-t

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