「昔話」を含む小説

　矢萩優作（やはぎゆうさく）は32歳。外資系工業機器メーカーの技術職として海外を転々としていた。 　願っていた日本支社への転属願いが受理され、無事、日本に戻ってくることになった。…

思い出の木の下で昔話をするだけ。 匂いってどうしてあんなに懐かしいんでしょうね。

松乃守家の跡取りである若狸、松乃守長親は、家督を継ぐ事に関して真剣に考えており、妻とする者はそれに相応しい者するべきと考えていた。 しかし、選り好みが過ぎて良縁に恵まれず、若狸特…

何でもあるようで、何かがない。足りない渇望を抱えて生きている。 自分の中にある、何かに気づいた時、私達は生きられる。 今も未来も、過去になる。 過去は、今と未来で何になるのだろう…

　町から離された山奥にある老人福祉施設「白川の杜」。 山々に囲まれたこの施設は毎年白い雪が降り積もる。 強く吹雪く風を眺めて一人の腰の曲がった小さな男性が好奇心に言う。 「皆さん…

この山には人食い鬼が出ると謂われている——。 浮世離れした旅の坊主と、後生大事に抱えたひとつの葛籠。 山で出逢ったのは、果たして。 続編がスタートしました。 → 【首葛籠】…

この物語はある青年の昔話である――。 ある少年は一人の女の子に”恋”と言う感情を抱いていた。学校に行く楽しみはその子を見て少しだけでもお喋りをする事、と言えるくらい。 ある日…

恐れながら、読者諸君はご存知だろうか。 私たちが住まう、広大無辺に見えるこの世界を、『狭界(セカイ)』と呼ばう者たちがいることを。 ただ、どうかすぐに怒らないで、この先を聞いてほ…

子供のころおばあさんから聞いた昔話の童と出会う。 楽しく遊ぶうちに、私は現実の音や光にその童を見失う。 見失ったのは私か、童か？ 淋しいのは、私なのか童なのか？ 大人になった今で…

一話完結。Twitterで書いたものを加筆修正してます。 女しか生き永らえない血統ながら、奇跡的に生き残った男児にまつわるお話。

村に住む中学生の莉子(りこ)と翼(つばさ)。 二人が住む村には、ある「昔話」と「掟」がある。 知らず知らずのうちに、昔話と掟に巻き込まれていく二人。 その昔話が意味するものとは一…

33歳の晶(しょう)と花は高級腕時計会社で働く同僚。仕事してお酒飲んで。日本と中国を舞台にしながら2人は生きていく。 こちらに収められている作品はすべて三題噺の自主企画応募作品…

あるところに、おじいさんとおばあさん（注・洗濯機）がいました。 ある日、おじいさんが手に入れた大きな桃からは、それはそれは愛らしい女の子が生まれました。 「桃太郎」と名付けられた…

島の村には、守り神のにょろにょろ様がいました。でもある日、にょろにょろ様はいなくなり……。 ※小説家になろう様でも同作品を公開しています。

お城の歌会に招かれたぼた。米俵のような体格でご面相のほどは、盛り上がった頬の上に胡麻のような眼、ちんまい鼻。ところが魔法の力で絶世の美女に大変貌を遂げ、殿にいたく気に入られてしま…

子供のころ、クヌート・ラスムッセンはこういう昔話を聞いた。私たちが住む町よりずっと北に、クジラの骨で家を造る人たちがいる。樹も生えない極寒の地域で生きる人たちがいる……。伝説は、…

ひどい湿疹で赤鬼のお化けみたいになった年頃のハルは、死んでしまおうと禁忌の山に登って行く…。

体が小さく仲間に馬鹿にされていた河童の亀太郎。ある日、河原で遊ぶ小さな村娘を見つけて、仲間を見かえすために尻子玉を抜こうと考えるのだが……。亀太郎と村娘、異種間に芽生えた遠い昔の…

「恋愛」ジャンルに入れるべきか悩んだのですが、恋愛にしたくない女と、恋愛に持ち込みたい男の話ですから。 愚かな思い出を晒してしまいます。ほとんど実話の昔話です。 冴子の高校時代…

山奥のとある小さな村には 古くから言い伝えられる昔話がありました。