「見えない 短編」を含む小説

　とある村に『狼の森』と呼ばれる森があり、こんな言い伝えがあった。 ――狼の森に入ってはならない。入れば、穢れに魅入られる―― 　親から子へと代々伝えられるそれにより、誰も森…

高校入学前日に両親が夜逃げし、中卒で働くことになった桜井春《さくらいしゅん》。家も金もない春は、寮付きの会社に就職するものの、ブラック企業ということもあり一年と経たずに辞めてしま…

孤独な少女の奈柚（なゆず）が嫌いなものは夕立。それは親に捨てられた日が夕立で、夕立を見ると辛いことを思い出すからだ。ある日、通学路で二匹の猫を拾う。一匹は普通の猫だが、もう一匹は…

主人公は”ふるさと納税”の返礼として届いた郷土料理を食べ― 星新一リスペクトの3分で読めるハートフルなショートショートです。 読み進めていくと普通の話に見えますが、最後にはち…

相互不理解についての話※小説家になろうにも掲載しています(第7回ネット小説大賞一次選考通過作)

ここに、外の世界を知らない子供たちがいた。 その子供たちの中の一人が突然失踪し、死亡した。 その出来事に対して、何も説明がなく、受け入れられず、子供たちはその事件のことについて調…

盲目のいとこは、大学で幾何学を専攻しているといった。 数学者ダフィット・ヒルベルトの言葉に、「幾何学はテーブルと椅子でもできる」というものがあります。何かと名言の多い、素敵な数…

小学5年生の女の子。 彼女はいつもひとりぼっち。いつかは友達がほしいと願っていた。 しかし、ついに彼女は誰にも見えない透明人間になってしまう…… それから日に日に希望を失ってい…

ある日を境に男は人々の感情を視覚的に認知できるようになっていた。 そんな人々の感情に悩まされ、憂鬱になっていた彼は寂れた水族館を訪れ、心を落ち着かせる。 しかし、彼が最後に足を運…

フォルダにあったものを供養

性的描写も暴力描写もない異常性を表現しました。 江戸川乱歩や安部公房に触発されて書いたので、 現代のつもりですが、昭和にしか見えません。 2016年ごろのものです。 登場人物は…

「ドンナ舞ヲ、踊ッテイタノ？」 　下が見えないほどの、赤茶色の大地に存在する深い渓谷。 　その下から見る空は、細かった。 　変異体と呼ばれる化け物は、恩人であるふたりを渓谷…

これは僕が読んだ「赤ずきん」 あなたはこの話。どう見えましたか？

忘れ得ぬ思い出は、まるで見るもの全てが輝いて見えて、どんな宝石にも勝る宝物。ふと、人生に疲れ立ち止まった時、思い返すのはあの何気ない日常。大人が忘れてしまった、一心不乱に走った少…

誰もいないはずの楽屋で、視界の端に見えた。誰かの足が。

愚痴が、嫌な気持ちが流されていく不思議なトレイの話 愚痴を流し続けた先に見えたものとは……

　仕事が終わり行くあてのないことに気づいた俺はただ東京の寂しい摩天楼を歩いている。往来する人間は皆、無くした何かを求めさすらっているかの様に見えてしまう。かく言う俺も何かを失って…

夢の様な街に迷い込んだ俺は、果して俺とは一体如何なる存在なのかを探究する迷路に迷い込む。 それは『ボーン・アイデンティティ』的でもあり『攻殻機動隊』的でもありまた現実世界の俺たち…

【短編小説】 ◇きっと、ずっと…　僕はキミを知っていた。◇ 家の事情で祖父の家に引っ越した僕は、 村はずれの森にある小さな湖のほとりで、 "僕と同じ名前を持つ不思議な女の子"に…

水鉄砲で、セーラー服が濡れ透け！ 夏の「遊具部」は、企業が貸し出してくれた新作の水鉄砲で遊ぶ。 モノガタリードットコム　お題「夏と機関銃」より。