「曖昧」を含む小説

夢月七海さまの自主企画『同題異話・十二月号』に参加させて頂きました。 ロマンティックなタイトルが素敵なので、書きたい衝動と無限に上がる難易度のせめぎ合いの中、何とか書き上げた初め…

　泉はたった一人の美術部。 　そして葵はたった一人の文学部。 　同い年の二人の高校生は旧校舎にある美術室で、それぞれ一人ぼっちの部活を続けていた。 　『お互いの作っているものに…

仕事の帰り道の信号で、幸せそうな一家がトラックに引かれそうな場面を、目撃した男は何も考えもなしに身代わりになると、気がつけば森の中。 手足が短く、どことなくキュートな外見のキノ…

小さな町の教会で暮らすメルと、メルの友達の物語です。 どうぞ、詳しくはお読みいただけると幸いです。 胸が苦しくなり、手が止まることもありましたが、それ以上に無事に書き終えること…

「ちょっとうちに遊びに来んか？」 大学時代の友人Ｈから誘いを受けた〝私〟は、母校のある山陰へと向かった。 そこで聞かされることになる三編の奇妙な話たち。 その三編の話には、〝私〟…

遠くのぼんやりを見ている「彼女」と、水晶玉を覗きたい「私」の話です。 音に色があります。形があります。質感があります。 味に色があります。形があります。質感があります。 匂いに…

登場人物とかはないです僕の夢の話です。

誰もいなくなった部屋。 全てが謎のメッセージ。 この謎はすべてが間違いだと言い張る少年。 推理小説おたくの少年・松井皓平は何も考えなしに入部した文芸部に依頼されたすべての謎を一つ…

先日参加した雲林院の菩提講で講師を待つ間、自称190歳の大宅世継と、自称180才の夏山繁樹と言うお爺さんが、面白い話をしていたのを思い出しました。他にも思い出したら書きます。なに…

　藍花高校第二文芸部は危機的状況にあった。本当はそうでもなかった。何もかも曖昧。存在も、それ以外も。もちろん僕も。そして恐らくは……。

エンジントラブルに見舞われたパイロットのお話です。 ------------------------------------------------ ・当然ながらフィクション…

基地で出逢った少女は天使だった。 　無知な少年兵と、戦争により夢を砕かれ生きる意欲を失った少女の短い話です。 Ⅰ,　 サリエル ll,　 塔信教 lll,　銃口 lv,　…

近所に住むの同年代のアオイが旦那の目を盗んで僕の自宅に通うようになった。 オトナの男女のリアルをどうぞ。

曖昧模糊とした概念が形を持つとき、 それを信じたくなる

普段の彼は無口で、何をするにしても無駄なくこなすから、彼のことを知るのは難しい。 けれど、書籍の積み重なった部屋の片隅にぽつんとあるピアノを弾くときだけ、彼の感情は私の中に映った…

　地球は亡ぶ。どうしようもない世界の終わり、地上のあらゆるものが白く透きとおった結晶に成り果ててゆく。「僕」と「彼女」は相も変わらず、愛みたいななにかで以って、ふたりを曖昧なまま…

酒の勢いでついうっかり自分の大事なものを失っなってしまった私が行き着いた先は、存在するあらゆるものが全て宙へ浮かんでいる奇妙な街、浮遊街であった。

　僕はどこまで行くのだろうと考えた。行き先が曖昧なのはなぜだろう。そこに明確な僕の意志がないからだろうか。時は流れ去っていくのに、記憶や想いはいつだって同じ場所で淀んでいる。 …

自然環境の変化により空には巨大な人工大気層が造られ、空は疑似映像となり、本物の空を見なくなって久しい時代。 世界は電脳技術が徐々に浸透し、電脳と現実が徐々に曖昧になり始め、日本京…

舞台は四百年後の閉じた列島。 他者を圧倒する力を持ち、絶対的強者として君臨する『なんでもない超能力者』の主人公、御影奏多と、何の力も持たず、相対的弱者として翻弄される『なんでもな…