「SF 純文学」を含む小説

夏の裏山で捕まえたクワガタは今までで一番大きかった。その帰りに、空にオレンジの光が照った。

私が人さまに読んでいただくために初めて書いた小説は、SF同人誌企画「お題」に沿ったSFの共作誌でした。処女作のお題は「周囲に隔絶された状況」。「病室」というSF短編でした。 こち…

イルカは、「全てよりも強い光」によって、責務を全うする者として選ばれてしまった。本来、人類全てが受けなければならないはずの、人類が到底耐えられない苦痛から人類が逃れるために、イル…

とある大学生に起きた少し不思議で小さな異変。現れたのはもう一人の自分。彼女を見て、次第に心は動かされていく。いったい「私」はどうありたいのか。 随分昔に執筆した作品です。 自己…

『赤いフェラアリが山手線上を周回し始めたのは九月の末だった……』。思い出のための物語。

初恋中の中学3年生の智章。 ある日ショッピングモールの本屋である男から声をかけられる。　 その男は思いもよらぬ話をし始め…

何をするにも頑張れない平凡な女の子、佐藤陽菜子。唯一他の人と違うのは、友達に天使がいることだった。そして今、彼女は「人でない」ことがバレて研究機関に監禁されている。囚われの天使と…

古き時代の風が吹く近未来。時代遅れの女が一人、煙草を燻らせやって来た

　高校三年生の1年間をループしている市河永和は、四月七日というたった一日だけ、それを自覚できる可能性があった。運よくもループを自覚したはいいものの、脱する方法も分からぬまま怠惰に…

みかんは甘くておいしいですが、みかんは悲しいです。 それでも、みかんはいずれ終わります。 心とみかん、どちらか必ずです。

　立国宣言をすれば誰でも立国できるようになったので、わたしと彼と彼女はこの部屋に国をつくることにした。とてつもなく面倒な書類が七十八枚も必要だったけれど、わたしたちは力を合わせて…

鉱物を掘るだけの盆地の町 15歳の夜、マコトと2人で街を抜け出す その行く末は──

月に捕らわれた2人と、月が見えない1人の話

──世の中で、妊娠後様々な事情があって自身の栄養だけでは子供を育てられないという人の為に妊娠をしていない健康なドナーと妊婦との臍の緒を繋ぐ托育という医療法が確立された。友人である…

『石の街』で生まれたトマスは、日本の時代劇や昔の街並みが大好き。日本で学びたいと思いながらも、家業の靴屋を思うと渡日を言い出せないでいた。 そんな中、アイツがトマスに語った。「好…

「ペアノ・ルーム -Peano Rooms-」 全40話の短編小説。0と1とiの物語です。

大学2年生の牧原慎二は、これまで下宿暮らしをしていたが、食事を忘れて倒れる、片付けが苦手で直ぐに捨てたがる等の行為を両親から心配され、夏休みから大学寮で生活することになった。そこ…

“あなた”は箱の中に物を入れ始めました。 しかし箱は小さくて、すぐに一杯になってしまいます。 全部持っていくことはできないので、いくつかは置いていかないといけませんが…。 K…

大学生の香坂樹は、十秒間キスをしてお金をもらうというバイトをしている。 人口培養の唇に交換したあと、キスをすることによって元の感覚を早く戻すことができると評判になり、依頼は多く入…