「言って。」を含む小説

2年前の両親の離婚により、父親と二人暮しの如月蒼。彼は、割とハイスペックでやろうと思えばなんでも出来る。しかもかなりイケメン。普通の日々が続いていたが、ある日突然、父親から「出来…

二つの企画用掌編です。 「タイトルを墓守りの腕時計にする」 「三題噺『嫌われ者』『美術』『リサイクル』」

去年僕は高校を卒業しましたが、大学に落ちたことで塞ぎ込んでいたので、高校のみんなには何も伝えることができませんでした。 あの時伝えたかったことを、ここで書きます。自己満足です…

『愛する奥様に気付かれるかもしれないわよ』 『アレは気付かないさ。付き合ってから、ずっと気付いていないのだから』 トゥルーエンドを迎えて幸福な結婚、大好きな旦那（ベルナルド）様と…

十五年前の冬の匂い。 思い出すことは怒りだけのはずだったのに。

「人は誰しも美しく純真である天使の喜びを知っている しかし、人は時にそれを穢す悪魔の悦びを知る」 ――そう言ったのは誰であったろうか。 これは身も心も美しき可憐な少女が、新たな自…

孤独な雪の夜、帰り道で出会った小さな白い花。花は私に挨拶し、こう言ってくれたのだ。『かわいいわ。あなたはかわいい』 これは私の、ままならぬ自意識と依存心と、それらへのささやかな抵…

第二の『The Catcher in the Rye』と言ってもいい作品！　今作は著者が大学院生時代に修士論文として研究した作品、J.D.Salinger『The Catcher…

恨みつらみを積み重ね、刃を片手にずるずると重い体を引きずって歩く主人公。 そんな彼女に話しかける者がいた。 そいつは言った、「願いを叶えてあげましょう」。 彼女が返した答えは。

伯爵令嬢・アマリアは妹に婚約者を寝取られ、ヤケで参加したパーティーで婚約破棄をしたいと見知らぬ人に愚痴を言ってしまう。しかしその相手は若き公爵で難なく婚約破棄を手伝い、今度はアマ…

恵方巻き。 二月三日に歳徳神がいるという方角、恵方を向きながら黙って食べることにより願いが叶うという代物だ。 その構造上、恵方巻きは片面から一方通行に食すことが推奨される。 そん…

レアジョブにも程がある。10歳になって判明した俺の役職はなんと「品質管理」。産業革命すら起こっていない世界で、品質管理として日々冒険者ギルドで新人の相談にのる人生。現代の品質管理…

蒸気機関が発達した明治の日本。その世界には蒸気機関の技術を会得するため、ウィザックと呼ばれる宇宙人が訪れていた。 そんな彼らとの交渉や交流を管轄する政府組織、通称“機関”に憧れる…

「俺が君を愛することはない。俺のことなど気にかけず、この離宮で好き勝手に暮らせばいい」 初夜の晩。寝室に訪れたルース殿下は、冷たい声でベルリアに告げた。 隣国から嫁いだ孤独な…

　二人の遅刻の恋の行方。 　彼女は僕が学校へ急いで向かって走っているときに現れました。彼女は僕の前を走っていて、僕は彼女の髪の毛が風に揺れるのを見て驚きました。彼女は僕に微笑ん…

皆さんは、前世が存在すると思いますか？ 僕は、前世の面影を、生きている中でたびたび垣間見ることがありました。 　何かの拍子に自身が言った台詞が、遠い昔に呟いた記憶を感じることがあ…

シンシアは静かに怒っていた。目の前の男が、『自分と婚約した暁には浮気を了承し、婚姻後、伯爵家の仕事は全て君に任せたい』などとふざけたことを言ってきたからだ。たしかに私は『聞き上手…

　過去に犯した罪を償うために善行を積む、魔法使いアルテイシアと彼女に仕えるアズールのお話です。 ＊全9話です。 ＊20,000字程度の内容です。 ＊ウーファイア関連の話ですが、…

とあるbar。一人の男が頭を抱えていた。 それは一夜だけの関係だと思っていた女性が、突然自宅に来てしまっていた。 「割り切った大人の関係」だとお互い了承していたのに話が違う！！ …

　ステラが目覚めたとき、自分の名前以外には何も思い出せなかった。 「ステラ！　目が覚めたのか、良かった」 　眠っていたベッドのそばで喜んでいる男性が誰なのかもわからない。 　…