「ぼんやり」を含む小説

かつて書いたものです。 バーに一人で行って、周りのお客が静かに話すのをぼんやり聞くのが好きです。 異世界、とまで言わなくても、非日常にいるような感覚が好きなんだと思います。 そ…

僕の行く手はいつも雲の中のようにぼんやりとしている。頼りにしている道しるべの「線」は、途中で途切れてしまう。あっちに行ったり、こっちに行ったり、しているうちに、気づくとみんなは怒…

夢を見た。不思議な夢だ。 夜空にぼんやりと浮かぶ月が泣く夢だ。 一筋の白い輝きがグラスの縁を伝う雫の様に月から溢れて、雲一つ無い夜空に落ちる夢。 寝苦しいむせ返るような七月の夜…

　僕はあの子のために。定時で気分よく帰宅出来たので。

「故人を悼むセレモニーはむしろ残された人のためにある」という言葉について考えてみました

相馬ユウゴは、妻のアイ、息子のアキト、娘リンとぼんやりと間延びした日々を送っていた。女ではなく「ザ・お母さん」になってしまったアイの目を盗み不倫を企てたユウゴは、いざ不倫相手と事…

大学卒業後も交流を続けている友人たちとお酒のノリで創作活動を始めることになった私。断りきれなかったとはいえ参加するにはしっかりしたものを……なんてぼんやりと考えていたら友人たちは…

ぼんやりと寝心地がよくて意識が曖昧になっていく。空は僕を優しく包んだ。

女流作家の由麻は、家政夫の深彩(みさ)と共に暮らしていた。ある日由麻は深彩からお見合いを持ちかけられるが……。

えいちゃんへの思いをつらつら書きました。「5月1日」に若干かかってます。悪しからず。

サラリーマンの俺が会社に行くのダルいなあと思いつつ、つい可愛い女の子と散歩してる犬とか羨ましく思ってぼんやりしてたら交通事故にあって犬になっていた！ すいません、犬は犬で大変でし…

　その街は灰色を印象としていた。 　透きとおっているわけでもなく、霞んでいるわけでもない。曇っているわけでもなく、ぼやけているわけでもない。透明度はひどく高く、彩度だけがひどく低…

中学三年生、夏休み。 余命を宣告されてしまった枦木（はぜき）司（つかさ）は親にも言えず、友達にも言えず、ぼんやりと残り時間を過ごしていた。そんなとき、人気のない林道の奥の池に人魚…

レティーシャはどこにでもいる中の中だと自他ともに評価している普通の貴族令嬢。 婚約を破棄されて、そんな訳アリの自分を娶ってくれるという奇特な次期伯爵当主に出会う。 訳アリを娶るよ…

”私”が眠りに落ちるその動きで、「私」の居場所はまた浮かび上がる。この空の色はどんな記憶が求めるのだろう。この夜の意味は一体なに。ぼんやりと”私”の記憶を眺めながら、何も出来ない…

山の上に、吸血鬼たちの学び舎はあった。彼らは学び、遊び、血を飲み、穏やかな日常を送っていた。ぼんやりとした死と忘却の予感に浸されながら。ある日、生徒のひとりである光岡正は、森木明…

気が付くと少女はやや青みがかった暗闇の中に横たわっていた。 意識はぼんやりと曖昧で、自分がどのような人間だったのかも思い出せない。 暗闇の中を歩き、少女は｢君の願いを叶える為に私…

毎晩息子は私にお話をせがむ。それは遠い日の私のようだ。 息子の一言がきっかけで、私は心の奥底にしまい込まれていた物語を思い出す。 『カクヨム3周年記念選手権～Kakuyom…

落ちこぼれの名無し幽霊は、成仏も出来ずに墓場でぼんやりと過ごしていた。 そんなある日、彼の元へボロボロの少女が現れた。 彼女は何も言わない。幽霊の青年も何も語らない。 ただ、二人…

謎の力によって不死者が溢れだした世界。 不死者の魂を解放することを仕事にしている主人公「陽」は歪んだ日常を今日もぼんやりと眺めていた。 短編なので続きはありません。 …