「短編 色」を含む小説

夕方5時の松林。何の目印かわからない『No.3』と書かれたひょろりと細長い松の木の下で、ジローは私をまちぶせる。 体の色は、ころころ変わるし、模様がついている時もある。毛むくじゃ…

【お知らせ】 カクヨムコン9のエッセイ・ノンフィクション部門にて、短編特別賞を受賞いたしました。 二〇二四年一月二十五日。 うちの犬が死にました。 うちの犬の話を聞いてください…

とある街にひっそりとたたずむ、『空想買い取り屋』。 今日も、様々な思いを抱えた人々が自分の空想を売りにやってくる。 「どんな物でも、買い取ります。どうぞ、末永くご贔屓に」…

冷たい雪の降る昼下がり。 雪景色の写真を撮りたいと言う彼女に僕は付き添った。 寒さのなかで、彼女がシャッターをきる、その理由とは。

事務所には、今日も電話がかかってくる。 「はい、松木探偵事務所です」 受話器を取った女性の右目は、黄金色に輝いていた。 この瞳なら、きっと見通せるはず。 どんな困難が、『二…

　「榊 夕(さかき ゆう)」は夏期講習を終えてコンビニに寄った帰り、街に不釣り合いな巨大ロボットを目撃する。 　誰にも悟られぬまま街の中へと解け込んで消えていったその日の夜、アイ…

雨宮朱雨(しゅう) 雨宮吏滝(りる) 紫陽花と言えば何色を思い浮かべますか。 青やピンク、緑、白が有名ですよね。 日本では青や青紫が多いと思います。紫陽花は土壌のph値によっ…

初めての彼氏が出来た私。しかも彼からの告白方法は赤い薔薇のプレゼント！ 私の世界は薔薇色に染っていた。しかし、幸せな道を歩むということは、不幸と隣り合わせであるということ……彼の…

　２０９５年の社会において、あらゆる差別は許されていない。 　どんな犯罪者に対する差別でも認められていない。 　２０９５年という時代は、それほど社会の倫理観が進んだ社会だった。…

キツくない石鹸の香水 ナチュラルなスクールメイク 清潔感のある綺麗に整えた爪 好きって言ってた黒の靴下 前髪は流行りのシースルーバング ずっと一緒だった幼馴染みに好…

【💫魔法少女は恋愛禁止？！筋肉がキュンする❤️ラブ&コメディ】 ご当地魔法少女マジカルフルーツシャイニングのメンバー「マジカルアプリコット」は、敵である悪の組織ブラックエリンギ…

本作品は「小説家になろう」でも、宙色紅葉という名前で投稿しています。 夜中に考え込んでしまい翌朝もダウンするという悪癖がある女性が、男性に癒されている話です。 なお、フィクション…

人の個性は十人十色。 カラダだって十人十色。 みんなそれぞれ、人と違う部分ってたくさんあると思う。 今まで秘密にしていた、私の体のとある部位のお話。 それは、遠いとおい昔から……

　灯りの心もとないバーの片隅、ひとりの男が常連の席に座っていた。 　彼は人呼んで「影を飲む男」。 　誰もが彼の過去を知らぬまま、ただ彼がそれぞれの夜に姿を現し、酒を傾けながら彷徨…

ふたりの人間が会話しているときに見える空気の色。 空気の色が見える主人公のクリスマス・イブでのお話。 ※　※　※ 昔noteに執筆した話を加筆修正して投稿しています。

ローデール王国を守る将軍の娘ジリアンは、『わがまま王女』アネットの影武者を務めている。 ２人は同い年の１８歳。同じ色の髪、瞳、体型までほぼ同じだ。 そんなジリアンが幼い頃から仕…

＃葵樹（あおい　いつき）の独白 　柔らかな桜色の光の中で、私は堅く閉じられた部屋の窓辺に佇立ち、外界へと思いを馳せた。 　私の魂は一筋の光に導かれるように、肉体という外殻へと吸…

ある日、日本にすむ全ての人間の髪の色がカラフルになった。何故か。 炎上系YouTuberの髪は燃えるような赤、売れてない芸人は冷たい銀色、ダークな噂のある政治家は怪しげな紫色。…

そこは惑星　ラベンダー色の空　３つの衛星　月　 赤い砂漠に　時に白と砂金の入り混じるマーブル上の砂漠に　煌びやかな水晶の丘 黒い石油の小さな泉 六足の半機械化ラクダに乗って　 …

淡い想い、まだ名付けるのも面映ゆい。知ってほしいような、でもまだバレたくない。 嗚呼、本当に──間に合って良かった！ お題「危機一髪」