「映る」を含む小説

　夜の窓って鏡みたい。それも異世界に繋がっているような不思議な鏡。 　小学五年生の出野詩露《いづるのしろ》はそう思いながら窓を眺めていた。 　この窓から異世界に行けたらいいのに。…

産まれると同時に母親を亡くした少年、武ノ森曜（たけのもりよう）は、毎年誕生日に父親から渡される母の手紙を心待ちにしていた。 死を予期していた母が綴ってくれた、誕生日を迎える自分へ…

時は1972年、夏。 人に言えない過去を持つ少女、前田千尋。 天涯孤独、親戚など存在しないと信じさせられていた彼女に、親族の存在が知らされたのは先月のことだった。 彼女に瞳には…

女子高生の美月には、ともに登下校をする亜希という友達がいた。 亜希のマンションの前で、いつものようにカーブミラーを背にして彼女を待つ。 美月の目に映る野良猫の姿、目で追った先に…

　中学一年生の東雲秋穂-しののめあきほ-は、幼馴染の如月音奈-きさらぎおとな-にいじめという名の加護を受けていた。 今日もいつものようにいじめられた後、秋穂を大きな雷が襲う。 …

ま、がんばりましょう。悩んだってヘコんだって明日は来るんだし。 小説大好きVTuber 天野蒼空さん(Twitter：@sora_senden_777)の主催する「第５回空色杯…

想像通り美しく綺麗な世界が、 僕の目の前に広がっていた。筈だった。 家出少年、そして孤独を抱えた少女が織り成すタイムリープの物語。同じ時間を繰り返しながら、彼は「君」を救うた…

「雨宿り」のあとの、「雨上がり」の空のように。 やさしい、さわやかな気持ちになっていただければ、幸いです。

街で定番のデートスポット。かわいいから美味しいまでなんでも揃う、たくさんの店が建ち並ぶ繁華街から少し外れたところに位置する橋の下。 市元和基の眼前には幅四メートルほどの川が、太…

文明は発展してゆき、古人から見れば奇跡に映ることさえ可能とする。 医療を奇跡とし、反比例して怪奇や精霊の類を空想と見なす時代。 そんな今でも霊界に彷徨う人を見つけては現世へ帰す探…

この作品は「小説家になろう」「pixiv」にも掲載しています。

友達も恋人もいらない。メリットを追求する人ばかりだ。 そんなことをいつも考えている主人公・谷川雅人(たにかわまさと)と雅人に毎日絡んでくるクラスメイト・田中若菜(たなかわかな)の…

第１回カクヨム短歌・俳句コンテスト〈短歌二十首連作部門〉応募用。タイトルの読みは「ろくしょうつうしん」。旅人の目に映る緑と青の事物・情景を切り取って31音×20首で表現してみまし…

　媚薬の過剰摂取で死んだ俺は、狐娘の膝元で目を覚ました。目に映る景色、少女の言動、ピクピクと動く狐耳……何もかもが異常である。しかし！　最も異常なのは己の身体だった！！ 　むっち…

義理の妹の冬香は俺にとても冷たい。 いつも無愛想で「うざ」とか言う。 仲直りしたいと思っていたが、そんな兆しはない。凍った関係のまま、日々を過ごしている。 そんなある日、友人の…

コンテスト参加作品ですが、完結まで書いてあるので短編冒険小説として、最後までお楽しみいただけます。 ※ネタバレ注意 カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト（児童向けファン…

　それは、暗い暗い夜だった……。 　私の目に映るそれは、闇の中に立ち、赤い瞳を光らせる。 　息を荒らげ、牙を尖らせ、獲物に向かって走り出す……。 辺りが血で染る……。 　…

俺には二人、仲の良い幼なじみがいる。 二人とも美少女で、その二人がイチャイチャしているのを後ろから眺めるのが、俺の日課であり幸せだ。 それなのに、学校からの帰り道、その内の一人…

――目が覚めたら何故か8歳の子供になっていた...？ 嘘だろぉぉぉ！ 待って鏡、鏡！ 俺は急いで部屋の鏡を見ると......そこに映るのは漆黒の髪、赤と金のオッドアイ。 正しく顔…