君の視界に映る僕は、どれだけ醜く見えているのだろう。
小説狸
第1話家出少年
笑いながら過ごす日々、楽しく交わる心豊かな家族。
それが当然ならば、その反対を表すのはこの僕であろう。
誰もが当然だと思っている美しい世界は、とても醜い汚れたものがあるから成り立っている。
では、僕はその綺麗な世界で生きているのではなく、汚れた醜い世界で生きているのだ。
僕はそれが嫌になった。生きていることが苦しくなった。
しかし、自殺などしても何一つ変わらないことに気づいていた。自殺とは全てを捨てるという、俗に言う、ゲームデータ消去だ。
全てのデータを消して新しく始める。
でも、そんなわけがない。
未知の物を切り開こうとするのはいいが、取り返しのつかない物は切り開かない。
だから、僕は。
高校一年の五月雨、僕はこの島を離れた。
僕は家出したんだ。でも、僕の心には不安がなく、綺麗に澄み切った自由を感じていた。
僕は東京、歌舞伎町に向かった。
フェリーに乗って行った。お金は、30万程度、
持って行った。
家出少年になったんだな、そう肌を通して感じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます