「日々 純文学」を含む小説

午後八時半、僕は目的も無く雑踏を眺めていた。せわしない街の中で立ち止まっているのは、僕と『ビックチャレンジ』のおっさんだけだった。

2015年の夏。終戦から70年後の日本。 横浜市に住む大学三年生の海村雄大は、大学から帰宅した際に自宅の玄関前に佇む一人の青年と出会う。小豆色の地味な印象の所々焼け焦げた服に身を…

私たちは、互いが互いの支柱だった。孤独感に苛まれ、自らの犯した罪を贖いながらも日々を歩めるようにと、支え合って生きてきた。彼はもうすぐ、支柱を失うだろう。 彼は今後、如何にして孤…

「私」という主人公の告白録。 母に置いていかれたことがきっかけで、父と二人きりの生活になる。だが、母の不在の悲しみが癒えずに不登校になり、父との関係がねじれていく。 中学校も相変…

入水自殺への抗えぬ衝動の苦しさを抱え、物語と愛する人に縋ってしまう儚い美貌の三十路小説家と、それを受け止めざるを得ない配偶者たる「彼女」の行く末を描いた純文学風掌編。 語り手で…

喫茶『花田屋』で親の手伝いとして働く花田由美は様々な人との出会いを経て自分の人生を見つめなおす。 「喫茶『花田屋』へようこそ！」「ヒガンバナは貴女の手に咲く」「海賊たちの声」の三…

どこにでもいるようなLJK（高校３年生）のセナ、これからの進路も明日さえも「わからない」ような彼女。 そんな細い枝のような彼女がただただ日々を過ごしていく。 そんな平凡な毎日に果…

人との関わりや厄介事から逃げ続け、後悔の多い大学生活を送った主人公は、卒業から１０年ほど経った今も、情熱に乏しいふわついた日々を過ごしていた。 大学時代に唯一懸命に打ち込んだ囲碁…

無気力に日々を送る主人公の宮下鈴はある日、偶然に見かけた「理想の男」に一目惚れする。 この出会いを一方的に「運命」だと確信した鈴は、その思い込みと情熱のままに相手へ近付こうとする…

小学五年生の主人公村上陽一は母の年の離れた妹の叔母さんと本の話をしたり一緒にいろんな所に出かけたりする日々を送っていた。 そんな陽一にはすごく気になる場所があった。それは近所にあ…

患者より顔色悪くしながら日々走り回る看護師×ご褒美グルメショートストーリー。 救急車なら運ばれてたどり着くところ、具合が悪くなったらくるところ、目が覚めたら見知らぬ天井が広がっ…

絶望は「有る」のか、それとも「無い」のか？　 夢を打ち砕かれた鮎川篠生の前に現れた一人の女の子。どこか天然を感じさせる彼女はみずからを鮎川の〈絶望〉だと名乗る。その目的も由来もい…

　※本作は現在公開中の心理学ドラマ 第3章『時の万華鏡』の第2幕(後編)を、公募用に振り分けた作品です。本編の内容も原作『時の万華鏡』とほぼ同じなので、ご注意ください。 　数年…

ある日、一人の転校生の少女がやってくる。 天文部に入部した彼女は、俺に「新星をみつけたい」と言い出した。 どんな冗談かと思ったけれど、彼女はどうにも本気らしい。他のクラスメイト…

ずっと一人で回してきた職場でできた念願の後輩は、黒髪の黒縁眼鏡。そんな後輩に「魅力的です」なんて言われて振り回されながらも、「私」が愛する夫を手に入れるまでの日常とその呟き。 …

満たされず過ごす人生に捧げます

”自律”する為に、生まれながらにどんな持ち物を持っているのか探索し、 見付けることが出来たら其れ等を鍛えて磨き上げ、 その為にアレコレと多種多様な知識を身に付け、 藝を中心に心身…

人生に疲れています。そんな話を書きました。

「私」は学生時代の恋人の結婚式へ行き、彼女との日々を思いだす。そしてーー

誰しも夢の中だけでは、ヒーローかヒロインに成りたいものですが、それは満たされない日々を過ごしている故の衝動なのでしょう。