時の万華鏡(公募版)
月影 夏樹
第二幕(後編) 八章 日常に見え隠れする心の闇
八章 補足説明一覧
八章
『登場人物一覧』
同作品における第一幕では、かつて香澄が心のケアを行っていた少年 トーマス・サンフィールドの死の真相を巡り、親友のエリノアと仲違いをしてしまう。そのことが原因で、一度は治りかけていた香澄の心の傷が再発してしまい、それが彼女自身を苦しめてしまう。
第二幕では、そんな香澄の揺れ動く心理状態が重要なテーマとなる。
マーガレット・ローズ……香澄・ジェニファーの親友で、二三歳。ワシントン大学の音楽学科を卒業しており、同学科の学士号を取得。その経験を活かし、卒業後はベナロヤ劇団で舞台女優の職に就いている。一度はエリノアと仲良くなるものの、トーマスの死が原因で二人の関係はすぐに引き裂かれてしまう。愛称はメグ・マギー・ペグ。
当初はフランスの劇場でお芝居をする予定だったが、劇団の都合により急遽シアトルへ戻ってくる。八月下旬に行われるクリスマス公演に向けたオーディションを控えており、その日のために今日もマーガレットは練習に励んでいる。
ジェニファー・ブラウン……香澄・マーガレット・エリノアの親友で、二二歳。今年の六月にワシントン大学の心理学科を卒業し、同学科の学士号を取得。もうすぐ大学院生としての生活を控えているものの、ジェニファーは香澄とエリノアとの仲違いを懸念している。愛称はジェニー・ジェン。
そんな状況を快く思っていないものの、内気な性格ゆえに自分からなかなか仲直りを切り出せず、ジェニファーは今日も苦悩する日々を過ごす。三人の中で一番おっとりしているが、感情的になると言葉遣いが変わるという癖がある。
エリノア・ベルテーヌ……ワシントン大学 心理学科に在籍する一年生で、香澄・ジェニファーの親友。一九歳。フランスからの留学生で、フランス語以外に英語も堪能なバイリンガル。また第一幕同様に、【エリノア編】という形で彼女の視点から物語が進む。
もうすぐ大学二年生としての生活が始まろうという時に、香澄たちからトーマスの訃報を知る。それが原因で香澄たちと溝は深まる一方で、解決策を必死に探している。
ケビン・T・ハリソン……ワシントン大学で外国語(日本語と英語)を教えている教授。同校の四五歳の名誉教授で、親日家としても有名。ワシントン大学院の卒業生で、教育学部を専攻していた。香澄やジェニファーが持つ学士より二つ上の、博士号を所持している。
また講義では日本へ留学する生徒のために日本語・ワシントン大学へ留学してきた留学生のために英語を教えている。そのためケビンも香澄と同様に、英語と日本語が話せるバイリンガル。
なお本作では呼び方を区別するために、香澄のことを「カスミ」とカタカナ表記にしている。
フローラ・S・ハリソン……ワシントン大学で心理学を教えている女性教員。四四歳。ワシントン大学院の卒業生で、そこで心理学を学ぶ。香澄やジェニファーが持つ学士よりも二つ上の、博士号を所持している。
アメリカで有名な女性臨床心理士でもあり、性格も穏やかで温厚と構内では評判の女性。大学構内ではしっかり者という印象が強いが、繊細で涙もろいという意外な一面を持つ。
大学院で心理学科を専攻する予定の香澄とジェニファーにとって、フローラは憧れの存在。同時にフローラの視点から見ると、一歩ずつ成長する香澄とジェニファーは金の卵。
トーマス・サンフィールド……アメリカでも有数のお金持ちの家系 サンフィールド家の一人息子。かつては香澄たちと一緒に暮らしていたが精神に異常をきたし、一一歳という短い人生に自ら幕を下ろしてしまう。
その一件が今作【時の万華鏡】のメインテーマでもあり、香澄たちに心に大きな衝撃を与え続けている。息を引き取る直前に香澄たちの本当の愛情を知るのだが、それに気が付いた時にはすでにトーマスは他界していた。愛称はトム。
【時の万華鏡】における重要人物で、第一幕以上に大きな役割を持つ。
『用語補足説明』
学士号……四年生の大学を卒業することで得られる、学位や称号のこと。「学士」と呼ぶこともある。英語だと「Bachelor's Degree(通称BD)」と読む。
なお文系の学部を卒業すると「Bachelor of Arts Degree(通称BA)」、理系の学部を卒業すると「Bachelor of Science Degree(通称BS)」となる。本作のメインテーマの一つでもある心理学は、文系(BA)に分類される。
修士号……大学院を卒業することで得られる、学位や称号のこと。修士号を取得するには、「学士」の学位を所持していることが前提となる。
博士号……大学院を卒業することで得られる、最上位の学位や称号のこと。博士号を取得するには、「学士」「修士」の学位を所持していることが前提となる。大まかな取得の流れとしては、学士→修士→博士となる。
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