「短編/人外 カクヨムオンリー」を含む小説

語り部の老人が死んだ―― 彼の死は、村を動揺させた。 この村には、語り部がいなくてはならない。 毎日、毎日。 噺を待つモノが、座敷牢の闇の奥で待っているのだから。 新しい語り部…

　二〇三五年、ジェンダー平等を訴える若者たちの間で流行し始めたのは、自分の性自認などを色で明確に示すジェンダーアクセサリーだった。 　ケンジは幼い頃から、男性にも女性にも好意を抱…

ジャンルを決めさせるな

俺はドラゴンと呼ばれる存在だ。いつもの散歩をしていたのだがそこで人間と出会った。

【台本形式・セリフ主体の作品です】 　ミュールは人間の姿になれるスライムである。 　数年前にご主人に助けられてから、一緒にとある街で生活をしている。 　近所の人は優しいし、何よ…

ミスリルスライム―― それは、経験値稼ぎの格好の標的。 ありえないほど硬くてすぐ逃げるミスリルスライムを、冒険者たちは血眼になって追いかける。 ある日、勇者に追い詰められた一体…

猫族に転生して拾われた先は、氷のように冷たく気高いと言われる氷姫でした。

来たるべき時を眠って待つはずの獣の前に、それは突然現れた。＊前半食肉描写が多いです。

彼女には春の青空が似合う。僕はそんな彼女と穏やかに過ごした。特別なことは何もない日々だったけど、僕にとっては掛け替えのない思い出だ。 ――ああ、もうすぐ約束の春がくる。 僕は本を…

【KAC20226】　お題：焼き鳥が登場する物語 ある日の仕事の帰り道、横断歩道の真ん中で止まるニワトリを助けた。 次の日、ニワトリと俺は会話ができるようになっていた！？ 人…

母より生まれ出でたオシュグッド。周りにはたくさんのきょうだいたち。 つめたき天涯は母を狂わせ、こどもを喰らう。オシュグッドはおとうとを背負い逃げ出す。つめたき天涯が彼を見続けてい…

トントンカラリ、トンカラリ―― その音が出会わせたのは、至上の美を紡ぐ傷だらけの指先。 傷付けることを恐れて、それでも翼を広げて翔けた……ここにいる、と伝えるために。

生贄の少女は、蒼虎と旅に出る。

夏の初め、一匹のセミが脳内に直接語りかけてきた。 「言伝をお願いできませんでしょうか？ この玉川上水に、あと七人、私の仲間たちがいます。 彼らに伝えてほしいのです。 『戦が始ま…

この国にはもう、“ファンタジー”というものは存在しなかった。 彼ら“異客人”は今やその辺りの街角で出くわす、ちょっと変わった隣人たちなのである。 そう。 たとえばあなたの街…

『筆致は物語を超えるか【雪を溶く熱】』参加作品です。 切ないお話を目指しました。

　2037年、世界はアンドロイドの開発に成功する。それから五年後世間にはアンドロイドが街中を歩いているのが普通の光景となるほどに普及していた。 　そんな便利な時代になっても問題は…

私この前こんな夢見ましたよ、という報告です。私の友人は私の夢の話に飽き飽きとしています。私が口を開けば夢の話しかしないからでしょうか？――きっとそうでしょう。「悪質な睡眠をとって…

健太郎は普通の人間では無かった。自分の内臓と会話ができるのだった。内臓達との共同生活の中で健太郎が見つけたものは！

日本に溢れる魑魅魍魎。国はその全てを山手線の内側に封じ込めた。 その中の一人である『私』は、離れ離れになってしまった恋人を想いながら、今日も会社に出社する。