「人 純文学」を含む小説

フリーター生活で孤独にすっかり慣れてしまった僕は一人旅で鳥羽水族館へと向かった。 館内を回り気ままな水槽巡りを満喫して最後に訪れたクラゲの展示スペース。 そこで僕はひとりの女性と…

廃部が確定した生物部に所属する、主人公と親友の川島修二。 二人は飼育していた生物たちを裏山へ放しにいくのだが……。 繊細な二人の少年が織りなす、美しい夏のひと時。 『猫の夢』…

小学6年生、最後のマラソン大会。 僕は幼馴染で親友であるケンちゃんといっしょに走ることを約束したが―― ほぼ実話の掌編小説です。

そこは市民が書物を読むことが許されない世界。 貧民街に暮らす少年のトムは、禁書を処分する仕事に従事していながら、盗み出した書物を親友のセシルに贈っていた。 トムは美しく、聡明なセ…

ある日、ある目的のために電車に乗った人間嫌いの｢私｣。――彼の人との約束を果たすために。 彼の道行きの果てにあるものとは。 僕は、彼とその○○の幸せを願いたい。 これは小さな…

父の昔語りが好きです。 父の昔語りには、故郷である福井県の九頭竜ダムの底に眠る奥深い山の村の暮らしや、伝説や、動物や、植物や、人や、不思議なものが、いっぱい詰まっています。 父の…

赤反田が語るには、私は何でも金で解決しようとするいけ好かない奴だということである。

筆者が考えていることを述べよと言われても、僕にはわからない。 ただ、この言葉は美しいかと問われれば、僕は即答できるだろう。 僕は考える。僕自身のこと、すれ違う人のこと、好きな小…

　※この物語は「ファンギャラ」のスピンオフ作品です。 　VRMMO「ファンギャラ」から実態化を果たし現実世界に侵略を始めたアバターに対抗する為、父から変身装置インタフェイサーと…

2002年6月、日韓ワールドカップ開催。 僕はアルゼンチン対イングランドの試合を観戦するため函館を訪れた。 僕は父と語り、祭りの狂騒の中で己のルーツを通り過ぎて行った。

ホームセンターから怪しくポケットを膨らませて登場するフランス人シラーヌ・ゾンゼーヌ。そこに立ちはだかるのは美しすぎる難敵・東海林メアリーと刑事・根掘葉掘彦。 何事にもすっとぼけ…

過去に書いた作品が読めなくなっていたのでこちらに…… 過去に紙のバージョンで少部数作ったものです（紙のバージョンにはとてもこちらにアップできない内容のものも含まれるのですが……）

愛していたけれど愛してくれなかったあの人を思い出して読んでみてください。

『私』は橋を見つめる。 上津谷(こうづや)橋。通称『流れ橋』。 この橋は構造を特殊にし、あえて壊れやすくすることで、復旧を容易にすることができるという特徴がある。 『私』は…

地方の大学に進学した僕は、年上の女の先輩に出会った。 彼女が口にする言の葉は、その薄くつややかな唇とひと続きのように、美しい。 季節は秋。残暑が息を引き取って、木の葉が寂しく鳴…

自動車の運転免許を取得して1年ほど経った女性、吉美。初心者マークが外れた途端、自分の運転に対する他車の容赦がなくなってしまったように思ってしまう。追い越しされるたびに、びくびくし…

　十年前に起こった大地震「オーバー・ブレイク」。崖の狭間の集落「プレスド」のひとつに住む少年ミスミは、村の一大イベント「スカイ・ホルダー」に出場する事になってしまう。彼は不思議な…

「世話になった包丁は、きちんと供養しなければいけない」 そう言い残した日系人がいた