「少女文学」を含む小説

あたしの身体にはぽっかりと空いた隙間がある。物心が付いた頃からその感覚はずっとあって、その空っぽの隙間は成長するにつれ少しずつ大きくなっていって、次第にあたしは空っぽに飲み込まれ…

私は宇宙で満ちた金魚鉢を持っている。しかし宇宙に魅了された私のことを、母は軽蔑するような目で見ていた。 家に居場所はなく、金魚と私だけの世界が大好きだった。 しかしある日、妹が私…

そして、発砲音が鳴り響いた。 ＊ どうも皆さん、初めまして。そうでない方は再び拙作に足を御運び頂きありがとうございます。萩原稀有です。 カクヨムでの萩原の二作目になります…

十七歳の私が車掌を務めるロープウェイには誰も乗ってこない。私は家の近所の空き地から火星まで、ほとんど毎日朝夕一往復ずつの便でロープウェイを運行している。しかし火星には誰の家も学校…

あらすじが必要なのは本当の人々だけだ。私やあなたは嘘つきなのでそんなものは必要ないだろう。黒こしょうが蒔かれた中央線に踊れない魚が笑うのは指より折りたい町が見えます。綿花の大切な…

宇宙はターンテーブル式の電子レンジの中にあって、その中には地球といっしょに、太陽と月と、たくさんのきらきらした星たちと、それから十四歳の私がいた。私がなぜ電子レンジの中にいるかと…

私は私自身のことをもっと良く知りたい。私自身のことをきちんと知って、そして私自身というものをきちんと知った上で、恋とか愛とかそういうことをしたいのだ。恋とか愛とかがどこからやって…

沢山の空き缶を積み上げて月にゆこう。 私はそう思い立ち、自分の持っていた沢山の空き缶を積み上げ始めた。

　この国の片隅、とある辺境の街に、魂喰らいの怪異が現れる。 　夜に現れるという『それ』は灰色の男の姿をしていて、人の魂を奪う。 　『それ』に魂を奪われた白い少女もまた、人気のない…

白縫(しらぬい)ユキは、あらゆる世界線に同一の姿・連続した記憶を持って転生し続ける「永遠の転校生」。 　 ときに現代の学園に、ときに陰謀が渦巻く中世の王国に、ときにシンギュラリテ…

授業中に、俺の脳内に突然ラブレターが浮かんできた。 どうやら、後ろの席の藤谷さんが今、まさに悩みながら書いているところらしい。 仕方がないから、ラブレターを渡されるまで待ってい…

真夏の炎天下、堤防の上を歩く二人の少女。 酷暑はあらゆる場所に死をもたらす。陸に、海に、そして少女たちの上に。 自主企画：【第4回】三つのキーワードで小説を書いてみませんか…

昔から小説好きだった主人公──美陽(みはる)が、駅へと急ぐ高校生をきっかけに昔の恋を巡る。 甘酸っぱくてどこか懐かしい、心温まる物語です。

おしゃべりな潮野（しおの）くんには気になる子がいる。それは無口な図書委員の貝守（かいもり）さん。彼女の気持ちを知りたくていろいろ話かけてみるものの、返事はぼそぼそ、言葉少なでよく…

出版社に務める遥は才能に溢れる作家を探していた。そんな時、遥は出版社のネット投稿で一人の作家に目をつける。作家の名前は蒼井　切(あおい　せつ)、遥は切に会う為に車を飛ばす。だが彼…

私はどこにでもある平凡な構造の街で育った。 漠然とした窮屈さを感じながらも鬱屈な気持ちを押し込み日々学校へと通っていた。

　柳間詩織《やなぎましおり》は中学三年間を帰宅部で過ごし、そのことに密かなコンプレックスを抱いていた。 　中学三年生の九月、詩織は小説ラブの同級生――二階堂文雄《にかいどうふみお…

授業が終わり学校から帰宅した瘡冶。自室に戻ると、そこには見慣れない少女の姿がそこに！ 設定もプロットも何も練っていないため作者自身も何が起きるか分からない、その場の思いつきで書き…

本を読むくらいしか楽しみのない充は、高校生活を憂鬱なものだと感じている。 いつものように図書室に一人でいると、突然少女が現れた。 少女との出会いによって、充の高校生活は変わるのか…