この一文。最初読んだときと読み返した時とで感じ方が大きく変わりました。文章の構成がとても巧みです!
一読後、きっと誰もが冒頭に戻り、読み直したくなるでしょう。残酷で気高く美しい、4話構成の物語。戦場という甘さの許されない場所での決断と覚悟の重さに戦慄しました。
僕はこの作品を読んで、残酷なものは、どうして残酷なのか。という事をまた一つ知れた様な気がします。 辛い事は辛い。悲しいものは悲しい。 当たり前の事ですが、そういった言葉の意味には、それぞれ理由がある。 僕にはそう思えてなりません。
作者様の戦場描写には、只々感服した。 私は、嘗て読んだ事がある、日露戦争、旅順攻囲戦の、敵要塞『カポニエール』での惨状を記したドキュメンタリーを連想した。 …その惨状を、本来忌み嫌うであろう少女が作り出している…という設定がまた泣かせる…