「聞こえない」を含む小説

　夏休みの補習授業後の誰もいない教室で。 　外に蝉の声は聞こえない。 　霧子は僕に言った。 「ゆうべ、……に失敗しちゃってさ」 　そうか。もう霧子は、温かい存在じゃないの…

主人公の村田はある夢を見た。同じクラスメイトを数人でいじめ、その人が自殺する夢だ。しかし、それは夢ではなく5年前本当に犯した過ちだった。ただ1つ違ったのは、最後に「お前ら全員呪い…

僕は炎に包まれていた。 …なんで？ しかもこの炎、ドラゴンが出してるし… ドラゴンってことは…ここって異世界なのかな？ けど、炎に包まれてても、痛くもかゆくもない、ただ……

雨雲を管理する雨雲様は、今日も水の子たちの旅立ち（降雨）を見届けた。次の水の子たちの出迎えの準備をしようとした矢先、どこからかすすり泣く声が聞こえてきて―― 紙男がお届けする短編…

明石の須磨寺で、夜な夜な笛の音が聞こえてくるという。 その怪異を解き明かしに寺を訪れた陰陽師、安倍有世が見たものとは……？

とある町の繁華街の一角に一本の変わった形をした木が立っていた。その木の幹にはまるで洞窟の入口のような穴がぽっかりと開いていた。秋も深まったある日の午後、就職活動に失敗し続け、生き…

誰かが言った。ニートは社会のゴミだと。 誰かが言った。ニートは高等遊民だと。 誰かが言った。ニートは潜在意識だと。 〝彼女〟は問う。この世に意味はあるか。 〝彼〟は答えない。何…

恵実と鈴花。ずっと一緒にいた"友達"。 「私たちは、友達だからさ」 恵実の言葉と、鈴花の気持ち。すれ違う感情が、小さな出来事で、増幅する。 ーー胸の奥底、何かの砕けるような音が…

いつからか村中に響き渡る声。悲しそうだ、と思った少年は、その声の主に会いに行くことにした。

僕は、ある日の放課後、異世界へ行く生贄として親友に刺された、いや親友だと思っていたのは僕だけだった。 許さない。 腹部から赤い液体が流れ、意識が薄れる中、僕は女性の声が聞こえ…

あらゆる科学の実験施設と研究者が詰め込まれた、南海に浮かぶ巨大な人工島《沖ノ鳥メガ・フロート》。科学立国日本というフレーズを挽回するために造られた最先端の《島》では、高度な科学捜…

放課後、高校の化学室から悲鳴が聞こえた。 駆けつけた探偵部の部長で優秀な探偵、野上隆之介は、そこで首吊り死体を発見するのだが、化学室は密室で鍵を開け中に入ると死体が消えていた。 …

あらすじ。 伊賀忍者、百々百子率いるクノイチ48は帝都に暗躍する吸血鬼に果敢な戦いを挑んでいた。百子は帝都東京で起きる「人を殺してみたかった。だれでもよかった」という凶悪犯罪の背…

切ないですが、ポジティブな終わり方ができるように工夫しました。落選しましたが、「童話の花束」に応募した作品です。

弥生は片田舎に住むやんちゃな女の子であった。 しかし、年が子どもではなくなっていくとやんちゃという言葉が似合わなくなってくる。その癖やんちゃでいようとするのだ。 そこである時弥生…

三柱の女神によって創り出された世界。 その世界を滅ぼそうとした破壊の神が封じられて幾万年……―― “鳥籠”と呼ばれる施設に監禁されていた少年少女たちは、自らの意志と力で外…

子供の頃だけ空を飛べる世界。 大人になってもなお飛ぶことのできる母を持つ澄子。彼女には、夜空を見ているとどこかにいる誰かの心の声が聞こえてくるという不思議な力があった。 澄子と、…