あ、僕魔法が効かないみたいです

シマの紙

第1話 僕に魔法は効かない

 僕の目の前は炎で包まれていた。


 そして、その炎の間から、ドラゴンが見える。


 そのドラゴンが更に火を吹いた。


 炎の威力が強くなるが、僕は痛くもかゆくもない、ただ、暖かいだけだ。


 …………ねぇツッコムところ多くないか?


 なんだよこれ、夢か?幻か?


てか、ちょっとだけ熱い。


「おぉ、英雄様が救ってくれた」


 え?


 背後から何か聞こえる。英雄?何のことだ?


 …あ、ドラゴンが火を吹くのをやめてこちらを見ている。


「ドラゴンが逃げていくぞ!」


 やりぃ!…よくわからんが勝ったらしい。


 というか、僕はさっきまで家に居たはずだ。


 なのになんで、僕はドラゴンに火を吹かれていたんだ?


 それと、ここどこ?


 …というか、なんで痛くなかったんだろう?


 あ、これってもしかして、異世界ものでよくある攻撃などが効かない的なチートか?


 まさか…僕って無敵なのか?


「英雄様!ありがとうございます」


 あぁ、なんて心地いい歓声。


 僕は、満面の笑みで振り返ろうとした…が。


 逃げていくドラゴンの尻尾が僕に当たった。


 バキバキ…


 あ…聞こえたらいけない音が…


 僕って、攻撃が効かないんじゃ…


 あ、これって、魔法系は効かないけど物理は効く的な…


 そう考えてると、僕は空を飛んでいた。


「え、英雄様⁉︎」


 歓声が悲鳴に変わる。


 あぁ、鳥になったみたいだ…


 でも、僕は鳥じゃない、徐々に地面が近づいてくる。


 というか、ここどこ?


 それと、どうしてここにきたの?


 誰か……ヘルプ…


 …ここで僕の意識は途絶えた。

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