「密室には悪魔がいた事件」探偵報告書

放課後、高校の化学室から悲鳴が聞こえた。
駆けつけた探偵部の部長で優秀な探偵、野上隆之介は、そこで首吊り死体を発見するのだが、化学室は密室で鍵を開け中に入ると死体が消えていた。
同じく探偵部員で相棒の芦屋真咲は、現場から魔法の儀式の痕跡を見つけ、悪魔召喚が行われた結果、犯人被害者ともに悪魔に喰われたと推測する。実は真咲は世界の謎を解明する目的を持った秘密結社のメンバーで陰陽師なのだ。
しかし、野上は探偵小説で仕入れた珍妙な知識を振りかざし、事件がなければ自分から起こすようなやっかいな「自称」名探偵。真咲も陰陽師であると公言するが、あくまでも「自称」。自分では隠しているつもりの異能の力と本当の使命に葛藤している姿は、周りから生暖かい目で見られている。
探偵部唯一の女子部員、龍胆寺霧もそんな二人…続きを読む