第一章 事件発生
□芦屋真咲の解明
あれは、六月に入って何日も経っていない日の放課後、特別教室棟四階の廊下を歩いていた時の事だった。
野上が化学室の中から聞こえた音に反応して、「人の悲鳴だ!」と叫び、廊下を駆け出して行ってしまったのが発端だ。
確かに物音は聞こえたが、人の声には聞こえなかった。何をしたら人間があのような声を上げるのか、むしろ、物の怪の咆哮に聞こえたが……いや、まさか。
「どうしたの?」
その場に残された俺に、近くを通りかかった小島が声をかけてきた。俺は肩をすくめ走る野上を黙って指し示し、うんざりして言った。
「いつものことだ」
「大変だね」と小島はいたわりの言葉をかけてくれた。
小島も化学室に向かって歩きだしたので、俺も深いため息をついてから後を追った。
化学室の前では、野上が入り口の扉に耳を当て中の様子を窺っていた。化学室の扉は鍵が掛かっており、扉にはまっているガラスもすりガラスのため中を覗くことはできない。
「明かりはついていないけど、中に人がいる気配がする」
扉に耳をつけたまま野上が言った。
「部活かなにかで取り込み中なんじゃないの?」
そう言って小島が野上の肩に手を置いたが、野上はそれに構わず扉をたたき大声をあげた。
「誰かいますか!? さっき声がしましたけど!」
すると、化学室の中からそれに返答するように、今度ははっきりと悲鳴が聞こえた。
「やっぱり、この中で事件が起きている!」
「どこかの部が使っているだけだと思うよ。三年生がいたら面倒だよ。もう行こうよ」
「真咲君ちょっと肩車してくれ」
野上は心配する小島を無視して俺を座らせ、肩にまたがってきた。
扉の上は透明なガラス窓になっている。そこから覗くつもりのようだ。小柄で華奢な小島より、俺が下になった方がいいのは確かだがちょっと癪にさわる。
仕方なく野上を肩車してゆっくり立ち上がると、俺の頭を掴み大声を出して暴れた。
「首を吊って人が死んでいる!」
さすがの俺も支えきれず体勢がくずれ二人とも倒れてしまった。
「大丈夫?」
小島が呑気に尋ねた。
「大丈夫じゃないよ! 人が死んでいるよ!」
「君達を心配したんだけど、大丈夫そうだね」
「扉を破ろう! 君達、力を貸してくれ!」
「だめだよ! そんな事をしたら! せめて鍵を借りてこないと」
「よし僕が借りてくる。どこだ!? 職員室に行けばいいのか! そうだ化学の先生だ。化学、化学は斉藤先生だ! まずは職員室、いなかったらどうする? 帰った可能性は? いやそれは考慮しなくていいだろう。この時間なら部活を疑うべき。斉藤先生が顧問をやっているのは、そう! バドミントン部! 体育館だ。いや待て、この時間自転車に乗っている斉藤先生を何度か見たことがある。そうか、あれは部員のランニングに付き合っていたのか! よし、外に走りに行っている可能性も考えておこう! つまり、体育館の中に入る前に体育館横に止めてある自転車をチェックだ! 問題は、どの順番に回るかだ。体育館までなら上履きのままで大丈夫だが、校外に出ている可能性を考えると最終的に靴が必要! そうすると先に靴を取ってから職員室に向かうべきか。いや、そうではない。今は中間試験が終わったばかりだ、先生は職員室で試験の採点をしている可能性が高い。靴を取りに行くより職員室直行、これが答えだ!」
一気にまくしたてると、小島に意味ありげな視線を送って気持ち悪く笑い、さらに続けた。
「さすが僕! 素晴らしい! 素晴らしすぎるね! この緊急時に一瞬にして今すべき事がここまで冷静に構築できますか!? できちゃいますかね! 探偵は眠らない、否! 眠らせてもらえないってことか!」
野上は訳の分からない独り言を言いながら廊下を駆けだして行った。興奮するとやたらウザくなる癖をどうにかした方がいい。くだらない事をうだうだ言っていないで、職員室に行ってそこにいる先生誰かに言えば鍵を貸してくれるだろうに。
駆けていく野上の後ろ姿を呆気にとられて見ていた小島だったが、化学室に向かって、
「今、鍵を取りに行っていますので、ちょっとまっていてくださいね!」と声をかけると、野上を追って走っていった。
改めて化学室の中の様子を窺ってみるが物音はしない。扉に耳をつけて見れば何かわかるかもしれないが、そんな必要は無いだろう。そもそも、こんなところで人が死んでいるわけがない。野上の騒ぎに巻き込まれるのはもう御免だ。そんな探偵ごっこをするためにこの学校に転校してきたわけではない。
時計をみると五時を少し過ぎたところだ。夏至にはまだ日があるが、この時間でも外は十分明るい。黄昏時までには時間がある。
黄昏とは人の顔も分からなくなるくらいに暗くなった「誰そ彼」が語源らしい。闇に近づくほど人と人の区別も、人と人ならざるものの区別もつかなくなる。もしかして、この中で『事件』が起きているなら俺の仕事だ。そのためにここに来た。そのために託された力がある。
右手に力が漲るのを感じた。
☆野上隆之介の推理
斉藤先生は職員室にいた。僕の推理は無駄になったがむしろ幸いだ。席に駆け寄り、化学室で重大な事件が発生した事を伝えると、「なにやらかした~」と心外な事を言う。
僕が事件を起こしたかのような口ぶりだった。
抗議していると、後から追いついてきた小島君が、「化学室の中で変な音がしているので確かめたいです」などと事件をひどく矮小化した事を言い出した。
事件を隠蔽するのはいかがなものかと思ったが、ここで下手に騒ぎを大きくするのはまずい。それで先生も納得したようなので、引いておこう。ここはプランB『隠密捜査』に変更だ。
鍵を管理している戸棚まで連れて行ってもらったので、化学室の鍵を掴んで駆けだそうとすると、先生に引き留められた。振り返ると『鍵貸出し管理帳』というノートを差し出された。
ああもう、探偵はいつもお役所仕事に邪魔をされるのだ。急いで記入し今度こそ駆けだすと、後ろから、「後で顔だすわー」という気の抜けた声が聞こえてきた。急げ! 事件が探偵を待っている!
化学室の前に戻ると、真咲君が扉の前で右手の掌を真剣な表情で見つめていた。
芦屋真咲君は、僕の助手の一人だ。怪我をしたのかと思い事情を聞いてみると、よく分からない事を言ってきたので聞き流すことにした。「魔」「闇」「聖霊」などのファンタジー用語が出てきた時に口を挟むと、その後十分はファンタジーの話に付き合わされる。暇な時なら嫌いではないが、今は緊急事態なのだ。それどころではない。
「鍵を借りてきた。斉藤先生も後から来るよ」と声だけ掛けた。
扉の鍵穴にゆっくり鍵を差し込むと、後ろにいる二人の緊張が伝わってきた。この鍵を開ける前に言っておく事がある。
「真咲君この中から誰か出てこなかったよね?」
「ああ」
「先ほどの首吊りは、自殺ではなく殺人かもしれない。その場合、この中には犯人がいることになります。十分に気を付けて欲しい」
鍵をゆっくり左に回すと重々しい音がして鍵があいた。扉を2㎝ほど開け中の様子を窺うが怪しいものは何もみえない。大きく息を吸い、扉を一気に開けると中に向かって僕は宣言した。
「探偵の登場だ!」
犯人に対しこれほど無情な宣告があっただろうか!? 僕は心の中で犯人に同情した。
僕の雄姿をその場の全ての人間に見せるため、ここにはたっぷり十秒は時間を使ってもいい場面だ。しかし、空気の読めない友人は、僕を押し退け化学室の中に入っていった。
「首吊り死体なんてないぞ」
真咲君がいつもの冷めた調子で言った。
そんな馬鹿な。
教室の中には水道と洗い場の付いた固定式の机が、前列に三つ、後列に三つの計六つ並んでいる。首吊り死体は、後列の窓際と真ん中の机の間の上の天井にぶら下がっていたはずだ。そこには、作業用のハッチが開いた状態になっていたが死体は消えていた。
おかしい、確かにここに首吊り死体があったのだ!
そう思い、首吊り死体があったハッチ真下まで行くと、床に大量の血痕が残されていた。やはりここで事件があったのは間違いない!
血痕の周りにはいくつかの椅子が倒れており、何かのケーブルが落ちていた。
「やはり事件だ! 物をやたら動かさないでくれ! 現場を荒らすな!」
「誰もいないぞ」
問題はそこだ。そしていますぐ確認しなければならない事がある。
「よし、机の陰などを慎重に確認してくれ」
「じゃ、じゃあ僕は用具入れを調べる」
それまで真咲君の陰に隠れるようにしていた小島君が、怯えた声をだして教室の後ろの方に歩いていった。
スマートフォンのカメラで現場をあらゆる角度から撮影していると、他の机を調べていた真咲君が戻ってきた。
「やっぱり誰もいない」
残るはここか。天井を見上げると、開いたハッチを通しその先の暗闇が見て取れた。下から見る限りではなにも異常がないように見えるが、その暗闇の中にはどんな危険があるか図りしれない。しかし、あえて危険に飛び込むのも探偵の役割だ。
「天井を調べてみる」
散らばっていた椅子を積み上げて上ってみるが、とても不安定だ。犯人または犠牲者も同じようにして上ったのだろう。
真咲君に支えてもらい、まずは天井のハッチにスマートフォンを差し入れ、四方を写真に撮った。何も映ってはいなかったが、ライトの届かぬ先に凶器を持った不届き者が潜んでいる可能性は否定できない。しかし、ここで躊躇している暇はないのだ。
犯人と格闘になった時の対処方法を何十通りも検討した後に、覚悟を決め慎重に天井に頭を入れた。
その瞬間に犯人に殴られる危険性は確かにあった。だが、探偵の使命が逃げることを許さなかった。僕は安楽椅子に座っているだけの探偵ではない。幸い殴られるような事はなかった。
この化学室は特別教室棟の四階東端にある。北面は高い位置に換気用の窓がついているだけの壁だ。南はベランダに面した大きな窓がついていて、中庭を挟んで教室棟が見える。ちょうど正面が僕達の学科の三年の教室だ。そして、その隣が二年の教室、つまり僕達の教室である。化学室の東面は実験器具を保管する棚が置いてある。西面には黒板が設置されており、黒板に向かって右に入り口、左に化学準備室に通じる扉がついている。
僕はスマートフォンの撮影用ライトを頼りに、改めて天井裏の四方を確認した。
北と東と南は、薄暗い中にコンクリート打ちっぱなしの壁が見える。怪しい物は見当たらない。西は校舎の西端まで暗闇が続いているかと思ったが、少し先で石膏ボードの様な壁で遮られていた。その壁には防火防煙のようなマークがついていた。おそらく化学室で火災が発生しても廊下の天井を通って煙が校舎に蔓延しないようになっていると思われる。その防火壁は化学室の壁の先に設置されていた。隣の化学準備室の上までカバーしているのだろう。
ライトの光量が足りないため、隅々まで詳しくは確認できないが、人が隠れていない事は明白だ。天井の強度は不明だが、ハッチの横に梁が通っているので、その上を伝ってある程度は移動できる。しかし、防火壁があるため、天井裏から逃げるのは不可能だろう。
一通り調べた後、椅子から降りた。
勇者の帰還だ。
僕の勇気を誉め称え、握手を求めてきた二人を制し、言った。
「そんなに誉めないでくれたまえ。探偵の仕事を遂行したまでだよ。上には誰もいない。怪しい物はなかった。三人で窓を調べよう」
僕達は窓を一つずつ丁寧に調べた。窓の鍵は全て掛かっていて怪しいところは見当たらなかった。教室の後ろのカーテンが広がった状態になっているのは、留め忘れた風を装って向かいの教室からこの場所を隠すためとみて間違いないだろう。
化学準備室に通じる扉にも鍵が掛かっていた。
やはりそうだ。ここで一つの事実を指摘しなければならない。
それができるのは探偵だけだ。
僕は教壇の一段高いところに立ち、ゆっくり教室を見回したあと、口を開いた。
「諸君! 見ての通り、ここで事件が起きた。首吊り死体が消え、血痕が残された。そして、ここは……」
ここもたっぷり十秒使っていい場面だ。だが、真咲君が何か言いそうだったので、急いで高らかに宣言した。
「密室だ!」と。
□芦屋真咲の解明
「みっしちゅだ!」
盛大に噛んだ事をつっこもうとしたが、あまりのドヤ顔に躊躇した。
恐らくここで何か言うと、ウザいスイッチが入るだろう。小島もなんとも言いようのないな顔をしている。多分、聞いたこともない珍妙なスポーツの試合を見せたらこんな顔をするだろう。野上よ、犠牲者はここにもいるぞ。天井を覗いて降りてきた時もそうだ。ドヤ顔の国からドヤ顔を広めに来たようなドヤ顔だった。
そもそも、天井裏を覗くだけなのに、なんであんなに時間が掛かるのだろうか。下で支える身にもなって欲しい。背を伸したり引っ込めたりを何回も繰り返せば気が済むのか。そうかあれが珍スポーツか。どうやったら得点が入るのだろう。俺もその時、小島と同じ顔をしていたに違いない。
降りてきた時も、あまりのドヤ顔で抱きついてきたので思わず払いのけてしまった。
常識的に考えて、最初から誰もいなかったのだろう。だが常識外の事が起こったという前提でこの状況を考えるなら、どうだろうか。
満足そうな顔をして固まっている野上を放っておいて辺りを観察することにした。
床に落ちている血は本物だろうか? まだ乾ききっていないところをみると、流されてからさほど時間が経っていないのだろう。
動物の血なのかそれとも人間の血か? 生贄という言葉が頭に浮かんだ。
それを囲むように長さ2mほどのケーブルが落ちていた。両端に見たことのある端子がついていた。多分LANケーブルというものだろう。
さらに腰を落として机と床の隙間を見ると、古いノートをみつけた。床にはホコリがたまっていたが、このノートにはついていない所をみると最近落とされたものだろう。
赤い表紙には幾何学模様が描いてあった。あるいは呪術的なシンボルだろうか? 中をめくって見ると、最初のページに大きな文字で、『悪魔ノ言語』と書いてあった。
これは見逃すことのできない文字だ。内容を確かめようとした時、教室の入り口から大声が聞こえてきた。
「ちょっと! なにしてんのよ!」
混沌としたこの状況にさらに混乱をもたらすトラブルの女神、龍胆寺霧の登場だ。その背後には斉藤先生も見えた。
龍胆寺は一人で放っておかれた事に不満のようで、うるさく文句を言っていた。こっちだってすき好んでこんなことに付き合っているわけではない。
言い返してやろうとしたが、「あんまり散らかすなよー」と言う斉藤先生の緊張感の無い声によりきっかけを失った。
野上が先生と話を始めてしまったため、龍胆寺はまっすぐ俺の方にやって来たのだが、床に落ちていた血を見ると大げさに驚いた。
怪我をしていないか俺を心配してくれたようだ。しかし、その血が俺のものではないとわかると、紛らわしい事をするなと怒り出した。不条理すぎる。
今度こそ文句を言うと、俺を無視して落ちていたLANケーブルを拾い、興味深そうに観察しだした。それがそんなに珍しいのかと聞くと、これはLANケーブルではないと言った。
では何だと再び問うと、意外な言葉が返ってきた。
なん……だと!
衝撃的なその言葉の意味を確認しようとした時、背後から野上の大声が聞こえた。
「クローズドサークル!」
閉じた円。そうか! 俺の中でこれまでのキーワードが繋がった。
化学室、首吊り、血痕、円環、そして悪魔。
事件は既に始まっていたのだ。表からは決して見えない物事の裏面を探り、真相を解明する。
それが俺の仕事だ。
☆野上隆之介の推理
探偵による密室の宣告は、二人に最大の衝撃を与えたようだ。小島君は心ここにあらずといった感じ。真咲君に至っては床に膝をつき愕然としている。
今回はたっぷり数十秒の余韻を残す事ができた。
探偵を志して以来、こんなに早く本物の密室に出会えるとは思ってもいなかった。しかも密室の中で首吊り事件が起きていたのだ。
犠牲者には申し訳ないが、自殺に見せかけた殺人といって第一に思い浮かぶのは、首吊りではないだろうか。犯人による首吊り殺人のトリック。そして、それを見破る探偵の活躍は、推理小説の王道と言っていいだろう。
そんな推理小説マニアがうらやむこの状況に僕はいるのだ。しかも、密室から死体と犯人が消えてしまっている。
この状況は、なんだ、あれだ。麻雀でいうとリーチ一発ドラドラか? いや、僕は麻雀をよく知らない。確かそんな事を言っていた気がする。家に帰ったら調べよう。まてまて、気分が高まり過ぎて変な事を考えてしまった。
落ち着こう。そう、探偵が密室を宣言したのだ!
これで終わりではない。探偵の推理により犯人の悪だくみを挫き、事件を解決する物語の始まりなのだ!
「なにしているの?」
振り向くと、好奇心いっぱいの笑顔を浮かべている霧君が入り口に立っていた。その後ろには斉藤先生の姿も見える。
「廊下にも声が聞こえてたよ。呼んでくれればいいのに。面白いことやっているなら、私も交ぜてよ~」
龍胆寺霧君は、僕のもう一人の助手だ。来るならもう少し早く来てほしい。探偵の宣告は今終わったばかりだ。
「先生、こちらに来てください」
僕はここで殺人事件が発生したこと、現場は完全な密室であったことを説明した。
先生はとても信じられない様子だった。無理もない、まさか平和な校内で殺人が行われたとは信じられないだろう。
「これが証拠です」
僕は血の海を指し示した。
「今のところ、被害者のものか犯人のものかわかりませんが、確かに血痕です。犯人に繋がる手がかりは、現在のところ、この血痕とケーブルと……えーと、真咲君もなにか見つけたのか? いずれにせよその数点です。警察に通報しますか?」
「いや…」
斉藤先生は口ごもった。
「それが賢明です」
今、事件を公にしても得られる物は少ない。生徒も動揺するだろう。捜査にもノイズが混じる。
密室殺人、消えた犯人と死体。
外から隔離されたこの部屋で事件は起きたのだ。
「クローズドサークル!」
僕は再び密室を宣言した。あえて英語で言ったのは、前から居た聴衆に配慮しての事だ。
この事件はこの学校始まって以来の難事件になるだろう。手がかりはほとんど無いに等しい。だが、僕なら! いや僕しかいない!
「僕に任せてもらえますか」
斉藤先生は教室を見回した後、頷いてこう言った。
「君に任せた。この事件を解決してくれ」
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