「握り」を含む小説

母を亡くした幼い娘のために、庄屋の蔵からひと握りの小豆を拝借した父親は、犀川の橋脚にくくりつけられ人柱にされる。

　超能力があったとしよう。 　それで見ず知らずの人が救うことが出来るだろうか？　答えは否。 　結局、人を助けることがが出来るのは、一握りの特別な人間だけで、俺のような無力な凡人に…

　清華高校の裏手にある人の近寄らない旧校舎二階には、目元に赤い布を巻いた一人の青年、魁輝月海(かいきるか)がいる。 　そんな彼に毎日放課後、会いに行っているのは女子生徒の鈴寧暁音…

「アンリエッタ、偽聖女の君は今日でクビだ」 わたくしにそうびしっと指を立てて、勇者パウロは言いました。 でも、わたくしはパーティーをクビになりたくありません。 ですから、わたく…

優しい夫と可愛い娘に囲まれて幸せな日々を送る私。思わぬ夫の秘密を握り、微妙な変化が訪れる。こんな時に考え巡らすのは、家族、体裁、今後の人生―――などではなく、私を中心に回っている…

神様の前でコミュ障を発動してしまい、言葉すらわからない状態で、異世界転移させられてしまった少女。 そんな少女が事件に巻き込まれ、コミュ障を拗らせながらも謎に迫っていく異世界ミステ…

日本では動画投稿サイトが巨大資本を背景に日本の実権を握り、100年が経過しようとしていた。 経済の大半を動画投稿に費やす歪な社会は極端な貧富の差を産み、日本は混迷を極めている。 …

チャンピオン、全てのボクサーにとってその称号は名誉あるものだ。 今はこの王者の手にあるが、決して永遠ではない。 負ければ途端に、称号もベルトという証も全て失ってしまう。 王者は、…

　若手ナンバーワンの実力派パーティ『蒼天』の守りの要、聖騎士アレクサン・マドリアル。彼は遂に仲間達と共にダンジョンの５０階層制覇という偉業を成し遂げる。これで彼も上位一握りの上級…

紫時みより、13歳、たった8人のソフトボール部所属。 いつもの感じで学校、部活。ただ淡々と日常を過ごす毎日は、ある”本”によって崩された。 不思議なその本は意思をもつように、私に…

「付き合ってくださいっ！」 　生まれて初めての告白に、俺は内心どきどきだった。手に汗握り、脇に脂汗がにじむ。この日までは、俺は恋愛ごととは無関係だと思っていたがそうでもなかったら…

ニートを生業とする者は数多くいれど、その中でもトッププロとして君臨する者は一握り。’僕’はその生態を探る。

　KAC20226のお題「焼き鳥が登場する物語」 　魔法学園の最大規模のスポーツ・『ロジウラ・カラフルスターズ』――。握った『筆ペン』に物体から色を吸収させ、その物体の最後の文…

『ゆう！電話だぞー』 職場でセカセカ働いている僕に1本の電話がきた。 今でも忘れない。あの瞬間。震える手、記憶を飛ばす程の衝撃。僕の人生は間違いなく、あの一本の電話によって全て…

気まぐれショートショート集はじめました。不定期更新（ごめんネ！）。ジャンルは特に定めずに、「ちょっと奇妙な物語」をコンセプトに書いていこうと思っています。そこのあなた、少しお時間…

人里離れた深い森の中。咲き乱れる赤いバラに囲まれた寄宿学校。だれかにとっては日常。だれかにとっては楽園。だれかにとっては監獄。そこでわたしは暮らしている。絵本のお姫様に憧れて、遠…

やけ酒を呷った翌朝、いるはずのない人物が部屋にいた。男は笑いながら言うのだ。「俺が悪かったから、許して」と。 里芋の煮っ転がし、握り合う手、コスモス。 きっと、なんとかなる。本当…

スター、それは世代を彩る象徴。偶像として名声を浴びる彼らの力は、努力は凡人に知ることはできない。この名声を手にしたのは一握りの人物だけ。誰もがその輝きを背負うことができるわけでは…

師によって、土くれから形づくられたシューは、他人を育てながらも己を育てる旅に出る。 私達が死ねば灰になり、やがて土に戻る。

　ある日、世界を変える出来事が起きた。全世界で大地震が起こり各地で地球上には存在しえない生物達が徘徊する。 　その生物達は、ビル群を押し倒し田畑を踏み抜け人を喰らう。 　こ…