幻想的な文章で書かれる狂気を孕んだ御伽話、とても美しいものを読ませていただきました……!蒔かれた不穏の種が、少しずつ芽をつけて回収されていく展開にゾッとしました。情景描写、特に色彩の描写が鮮やかで、綺麗なものは綺麗に、醜いものは醜く。同じ緋色でも文脈の違いで全然違う意味になったりして、表現の虜になりました。視点が変わるたびに、美しいものと醜いものの見え方が入れ替わっていくのも好きです。好きなシーンを挙げ始めたらキリがないです。美しい文章を魅せて下さりありがとうございます!
世界観が凄いです。童話的な空気を纏ったまま、現実の醜悪さを描き出していて惹き込まれずにはいられませんでした。群像劇でありながらも分かりやすく、けれども下品にはなりすぎず、薔薇のように花弁を複雑に重ねているような美しさを覚えました。次回作も楽しみにしております!
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花溢れる耽美さと、当時のイギリス暗部の陰湿さが混じり合い、アラン・ムーアのFrom Hellを思い出しました。
少女の弱さ、意地悪さ、カースト……本来どろどろするような要素もこんなにも綺麗に表現できるのかと感嘆しました。喜びはもちろんのこと、怒りや悲しみでさえも少女たちの無垢さを際立たせるエッセンスのように感じます。水彩画の挿し絵が似合うような、非常に透明度の高い物語です。
子供っぽさののこるリリーとても純粋な心の持ち主です。そこに現れた転校生。さまざまな思いが交錯し、どう進んでいくのか楽しみです!そして、地下室にいるレイラ…まだまだ始まったばかりの物語ですが、うまく伏線もはられこれからの展開が気になります!あなたも一緒に見守りませんか?
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(172文字)