歴史・時代・伝奇の小説

　鳥音は、前世のトラウマから喋ることを極端に恐れるようになった。自分が何もしなければ、大切な日常を守れると信じていた。しかし無情にも、その宝物は崩れかかっているものだと知ってしま…

　その戦いはナゾに包まれていた。 　何が本当で、何が嘘か。 　それは誰も知らない。 　誰もが本当を語り、誰もが嘘を混ぜる。 　――真実とは何なのか？ 　変化する戦…

茨城県神栖市に存在する神様の話を短編で作りました。電撃大賞で一次突破できたことは光栄です。 終戦の日に平和への祈りを込めてこの小説を投稿いたします。

不真面目に生きたかった男の話。 第五回こむら川朗読小説大賞参加作です。 お題：「男性の一人称」 関西弁エアプなので気になる箇所がありましたらご指摘ください。

1945年の「終戦の日」から77年が経過しました。 あの時、日本を守るために命を賭して戦った数多の若者がいました。 当時の若者が何を守りたくて、何のために戦ったのか。 終戦の日…

「海美、俺の夢はな、空を飛ぶことやねん」 昔々に、向日葵の横で笑った彼は、今頃何を思っているのだろう。 ────空の上で。

コミカルな三国志演義の第三部です。 英雄たちが命を懸けて、乱世を駆ける物語をご覧下さい。 ※三国志演義は長篇ですが、本小説の一話一話は短いので、気軽にサクサクお読みください。 …

　冬将軍〈ジャック・フロスト〉は、実に勤勉なる博愛主義者に違いない。 　セント・ジェイムズやメリルボンといった、大英帝国が誇る偉大なるヴィクトリア女王陛下のお膝元のみならず、ロン…

かぐや姫の二次創作物です。 公式自主企画「怪談・都市伝説・昔話の二次創作」参加用にしたためた物語。

家で飼っている愛しい三毛猫、アンとウミが行方不明になった。 その夜、陽子は夢の中で『猫神さまを崇めよ……』という声を聞く。 それは、かつてこの地域で祀られていた、養蚕の守り神の名…

山奧には不釣合な屋敷、旅の僧侶を迎え入れたのは、大人びた幼女 囚われた沢山の鳥、奥座敷に臥せっている御婆さん、殺生肉食を好む家系、廊下を渉る人ならぬ者の行列 【カクヨム公式自主…

群馬県太田市に伝わる昔話。 幕末の頃、長き年を経た大鼠、寺に住み着き住職を喰らうとの話あり。 村に住む大猫に退治を頼めば、三年かけて北海道と長崎から兄弟を連れて帰り退治に向かう…

Friedrich Nietzsche：“Unendlich”

異類婚姻譚萌えなのに猿婿の猿が死んじゃうのが気の毒だなって常々思ってたので、死なないラストを考えました。

宝永四年、大地震と富士山大噴火のダブルパンチを受けた日本。苛政はますます人々を苦しめた。阿波（徳島）の山村で庄屋を務めていた谷貞之丞は、一揆へと逸る村人を鎮め、藩に直訴に及んだ。

今は昔、あったかも知れぬことかもしれない、一寸法師の物語の別の話。

　遥か古の昔より営まれて来た樵の生業。 　季節を問わず山に入る過酷な日々を営む彼らの前に立ち塞がるのは野生、気象、そして……怪異。 　それは、とある冬の日のこと。強烈な吹雪に見舞…