うちの夫がかわいくて

作者さまには十三歳年上の旦那さまがいます。
年上の旦那さまなら、さぞかっこいいのであろう……と思いきや、どんなにつらいときでも笑顔をくれる愛おしい存在なのでした。

世間では疎まれるおっさんらしい行動も、ほっこりさせられて許せてしまう。旦那さまに始終めろめろな作者さまに、読んでいる方もとろけてしまいました。

ずっと惚気話を聞かされているはずなのに、ストレスは一切感じません。愛おしすぎるミドルエイジご夫婦の日々から、たくさん幸せをお裾分けしてもらいましょう！

本文を読み始めると語り口が端正です。品がありつつも弱々しいところがなく硬質で、「この語りをずっと聞いていたいなぁ……」と思えてきます。

そうして読んでいくと、その文意が惚気とは！

ギャップに大笑いします。

でも、これでいいんです。普通なら「お好きにどうぞ」と突き放すところが、他人が見ても楽しいです。

作品として発表するなら芸が無くては。その思いにしっかり応えます。

まぁ、そう思わない人もいるのでしょうけども。
ですが、声を大にして言いたい、「夫は可愛い！」と！

こちらのエッセイ、もう最初から最後まで作者様の夫である『おいたん』への愛が溢れています。溢れまくっています。お惚気100％のエッセイです。

素晴らしいことじゃないですか。
自分のパートナーのことをここまで愛でられるってすごく幸せなことだと思うんですよ。幸いなことに、私は自分の両親も仲が良い方だし、私自身も夫と仲良くやっているので、むしろ夫婦とは仲が良いもの、という認識なのですが、世の中そういう夫婦ばかりでもないんですよね。

食べているところが可愛い
寝てても可愛い
しゃべってるところが可愛…続きを読む

こんな幸せな二人はいるものだろうか。
筆者の無雲さんもだが無雲さんに愛されてるおいたんも幸せ者だなぁ……

この作品。ひたすら妻である著者の夫に関するノロケが書かれています。

「おいたん」と呼ぶ１３歳年上の夫がかわいくて仕方ない妻。
そんな妻を大切にしている、おいたん。

ふたりの事はエッセイでも読んでいたので、けっして順調な日々ではないことを知っているだけに。

「かわいい」という妻の言葉が尊いのです。

なんだか、読んでいるうちに鼻がツーンとして泣きそうになりました。

どうか、お読みください。
市井の平凡な夫婦の優しさが沁みます。

お幸せそうで何よりです。
みんながこうあれば、きっと幸せになれるだろうに。
人をバカにしている人に爪の垢を煎じて飲ませたいくらいです。