4.突拍子の無い案を出す夫がかわいい
おいたんとお付き合いをしていた時期に、私は「デートで夢の国に行きたいな」とお願いした事がある。
それに対するおいたんのアンサーはこうだ。
「じゃぁ、長崎に行こう!」
何故、夢の国が長崎に変換されるのだ。突拍子無いだろう。
そんなわけで、私とおいたんはお金を貯めて、二泊三日の長崎旅行に行って、教会を巡ってお祈りをしまくって、シスターとも交流をし、おいたんはキリスト教の知識が多すぎて教会関係者に間違われ、最終的にはオランダを模したテーマパークで大人の散歩を楽しんだわけだ。
そんなおいたんの突拍子の無い案の出し方は他の時にもあった。
「江戸川区にある水族館に行きたいな」
と私がお願いしたら、「じゃぁ房総の水族館に行こう!」と一泊旅行が決定した事がある。
この時もふたりでコツコツとお金を貯めて、シャチのショーを楽しんで温泉旅館に一泊して帰って来た。
おいたんは、こういった感じで突拍子の無い案を出す事がたまにある。どういう思考回路をしているのか頭の中を覗いてみたいのだが、それはそれでかわいいな、と思ってしまう。
私だったら思考回路が凝り固まっているから、長崎旅行だの房総旅行だのって案は出て来ない。でも、それがおいたんには出来るのだ。
おいたんは普段はバイク乗りなのだが、旅行に行く時はレンタカーを運転してくれる。
背が小さくて腕が短いので、料金所で「手が届かないー」と言って運転席を降りて発券しているのを見て、私はETCカードを発行する事を心に決めた。
この「手が届かないー」も、恥ずかしい事は恥ずかしいのだが、言い方とか仕草が何となくかわいいのだ。かわいいは正義である。大抵の事は「かわいい」で許されてしまうのがこの世の中ってものだ。
おいたんは私の中で「かわいいから許す」を何度となくされている人間だ。これはもうおいたんのキャラ得だろう。
長崎旅行も、房総旅行もなんだかんだで楽しかったし、結果オーライなのである。願わくば、夢の国に一度も行った事が無い千葉県民であるおいたんを夢の国に連れて行ってあげたかったのだが。
「でも、高いんだろう?」
と言われたらそれで終わりである。確かに夢の国は中に入ると全てが夢値段なのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます