第28話

「俺が亜衣を好きだと思い始めたのは幼稚園の遠足のときだぞ」



「え?幼稚園?遠足?」



「そ。花畑に行ったろ?」




「それって確か……」





***




『マサシー!見て。蝶々っ』



『わー。ホントだ』




まだ子供だった私と雅史は遠足先で行ったお花畑で遊んでて。



雅史が同じクラスの子たちと遊んでいる間、私はお花で冠を作ってた。




『あい。見て!ヒマワリー!』




戻ってきた雅史が話しかけて来ても



『うん』



私は生返事しかしていなかったはず。




***





「あれのどこに好きになるポイントがあるの……?」



「あの後、花冠くれたから」



「あぁ、そう言えば……」




あげたっけ?




正直、あんまり覚えてない。

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