第11話

「……えっ…なんで……」




咄嗟に出た言葉。



ドキドキと胸が高鳴るのを痛いほど感じる。




どうして今日に限ってそんな甘い誘惑を落とすんだろう。



雅史に愛されたくてしょうがないのに。




「寝たいから。おいで」




雅史はそう言って布団の中に潜り込む。



寝ろよ。と言われても簡単に寝れるわけなんかないのに……さも当たり前のように言ってくる。




どうしても期待と欲望に飲みこまれてしまう。




「うん…」




そんな誘惑の言葉を述べられても“YES”としか言えないのに。




どうせなら無理矢理ベットに引き込んで欲しい。



それでも答えは“YES”なんだよ。




雅史には抗えないんだ。



それなら、強引に私を求めて欲しい。



そうしてくれたら私を全て捧げられるのに。




もうダメだよ、雅史。



私、もう限界だ。



求めて欲しい以前に私が雅史を求めてる。




もう好きすぎてダメなんだよ。

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