第4話

こんなことダメだと思うのに抗えない。



もっと……と求めたくなる私は本当に愚か者。




本当は雅史の背中に腕を回して



熱く口づけを交わして



愛の言葉を囁いて



もっと2人で溶け合いたい。




雅史に愛されたい。




でも…それは叶わぬ夢だから。



所詮、私は雅史の幼なじみ。



いや、××××フレンドってところかな?



どのみち雅史は私を愛しているわけじゃない。




“愛して”と求めたところで“めんどくせ”で終わらせられてしまうんだろう。




面倒に思われて、もうこの秘め事が無くなってしまうのは嫌だ。



雅史を唯一独り占め出来る時間だから。




だから寝たふりを続ける。



気付かれないように、そっと快感を噛み締めて。



雅史に好きに弄ばれる。




意識があるって気付いて欲しいのに気付かれたくなくて。



もっと永遠に夜が続けばいい。とさえ思う。




これ以上翻弄させないで。



これ以上勘違いさせないで。



これ以上惚れさせないで。



私をこれ以上夢中にさせないでよ。



もう立ち直れないくらいに嫌いにさせて。



壊れるくらいに乱暴に欲望をぶつけて欲しい。



そう思うのに……。




「亜衣……」




だなんて優しく囁いて。



触れてくる指や唇は甘ったるいくらいに優しくて。




ますます好きになっていく。

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