第7話

「もうすぐ10年だっけ?」



「うん…」




10年。



私が雅史に片想いしてもうすぐ10年になる。




好きだと気づいたのは7歳の時。



ほんと、今思えば些細なこと。




小学校のグラウンドでドッジボールをしていたときだった。




私は目の前に飛んできたボールが取れそうになくて目をギュっと瞑ったんだ。



で、それを雅史がキャッチした。



私の顔面に当たりそうだったボールを軽々と。




『危なかったー』




とか言いながらニッコリ笑って。



それがカッコよく思えて、それから雅史を好きになった。




小学校を卒業しても、中学校に入学してからも、ずっとずっと雅史が好きで。



気持ちは変わらぬどころか増える一方で。



どんどん男らしくなっていく雅史に毎日ときめいてた。



でも、雅史は“女なんか興味ねーし”の一点ばり。




だから驚いた。



中学2年生の頃、初めて雅史に手を出されたときは。

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