第26話
「本当に私のこと好き?」
しつこいけど、そう聞かずにはいられなかった。
雅史の気持ちが聞きたい。
1度でいいから……嘘でもいいから好きって言って欲しい。
ううん。やっぱり嘘は嫌だ。
本心が知りたい。
「ホント、バカなヤツ」
雅史は楽しそうに笑みを浮かべて鼻で笑う。
私は真剣なのに。
「雅史……私のこと好きなの?好きじゃないの?」
わからないから聞いているのに。
雅史は曖昧に笑う。
あー、もう辛い。
悲しくて泣きそうだよ。
「なに泣きそうになってんの?哀愁の秋?」
クスクス笑いながら、私をバカにする雅史。
ちょっとムカついた。
それと同時に惨めになった。
バカみたい。
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