第8話

もうすぐ夏休みだねって言ってた時期だった。



雅史はその日、



いつも通りに家に来て



いつも通り私のベットを陣取って



いつも通りに私と一緒に寝て




なのに、いつもと違って私の体に指を這わせた。




何が彼を駆り立てたのかわからない。



大好きな雅史の行動に驚いた私はそのまま寝たふりを続けることしか出来なくて。



やっぱり男の子だしそういうことに興味があるのかな?ってぼんやりと考えてた。



でも、不思議と嫌悪感とか焦燥感とかは全くなくて……。



痛む体とは対称的に、ただ驚きと胸の高鳴りだけが心に残った。




それからだ。



私たちの関係が変わったのは。




雅史は私に全く興味がなくなった。



会話だって適当に相槌を打つだけだし、手すら握って来ない。



そのくせ夜は頻繁に泊まっていくようになって……。




高校生になった今でも続いてる。



ほんと私は雅史の人形だ。



ヤれればいい、ただの人形なんだよ。




だから愛してくれない。



だから興味すら湧かない。



だから寝てるときだけなんだ。




私の感情なんていらないからだ。

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