第22話

「ねぇ、雅史ってば!!」



「んだよ?うるせーな!!」




耳もてで叫んだら、雅史は私の頭を軽く叩いてきた。




「痛っ……酷い!!」




鈍い痛みが走る。



いつもこう。



拗ねようが甘えようが、雅史は私をだるそうにあしらってくる。



ことあるごとに、お得意の“めんどくせー”の一点ばり。




恋人になったら、もっと甘い関係になると思ってた。



でも、実際は付き合う前と全く変わらない。



まともなデートだって夏休みに海に行ったきりだし。



いつもデートと言えば家。



手だって雅史から繋いでくれないし、愛の言葉だって囁いてくれない。



あまりに何も変わらなくて、本当に私のこと好きなの?って不安になる。



もしかして、私に同情して付き合ってくれたんじゃないかな……とさえ思ってしまう。




「怒るなって……」




唯一変わったのはストレートにキスとか、そういうことするようになったってことぐらい。

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