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第1話

「ねぇ、もうすぐ夏休みだよ?」



「うん」



「今年こそ夏休みまでには彼氏を作ってー、海に行くんだっ」



「ふーん」




私の発言なんかまるで“興味がない”と言わんばかりに素っ気なく返事をして、ベッドの上で目を擦る彼……。




「今年は一緒にドコかに遊びに行こうね?」



「夏休みは彼女としか遊ばねー」




甘えたように布団に抱きついている彼は、私のことなんて全く興味がないんだ。




所詮、私はただの幼なじみ。



でも、雅史に彼女がいるわけじゃない。




「彼女……作る気になったの?」



「めんどくせー」




毎度の如く聞く言葉。



雅史は彼女を作る気なんか更々ないんだ。



めんどくさいとか言って。



彼女なんかより、友達と遊ぶ方がいいのか作る素振りすらない。



高校生にもなるのに女に興味がない男ってどうよ?って思ったりするけどそれでいい。




だって私は雅史が好きだし。



他の女の子に取られちゃうよりは全然いい。

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