×××
第10話
「来てたの?」
「まぁな」
また、私のベットを我が物顔で占領する彼。
連日来るなんて珍しい。
まだ制服姿の雅史はどうやら直接私の家に来たらしい。
「今日はちゃんと家に帰りなよ?」
「んー」
適当に相槌を打つ彼は、また目を擦りながら眠たそうな素振りをする。
眠たくなんてないくせに。
まだ夕方なのに今日はどうしたんだろう?
「なぁ、亜衣……」
疑問が渦巻く中、雅史は布団をそっと捲って私をじっと見据えた。
その真剣な瞳に金縛りにあったかのように体が硬直して動けなくなる。
「なに……?」
やっと振り絞って出した声。
若干震えてしまったことに気付かれてはいやしないだろうかと不安になった。
もしかして、まさか……。
なんて期待で脳内が埋めつくされる私はきっと重症だ。
ゾクゾクとする緊張の中、雅史はニッと笑った。
「一緒に昼寝しよ?」
そんな甘い誘惑の言葉を述べて。
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