第二話 太陽の拘り
プロローグ
“本当にふたりは仲がいいわね”
昔からご近所さんにはそう言われてた。
“双子みたいね”
四六時中一緒にいるあたしと太陽は、よくそうも言われてた。
しょっちゅうそんな事言われるから、小学校の頃パパとママに本当はあたしと太陽は双子なんじゃないかって聞いた事がある。
その時パパとママは笑ってた。
笑って「違うよ」って言ってた。
だけどパパとママはこうも言った。
「前世ではふたりでひとりだったのかも知れないね」
その時はその意味が分からなかった。
あたしはあたしで、太陽は太陽なのに、ふたりでひとりって意味が分からなかった。
むしろ、ふたりでひとりだったら困ると思った。
宿題を代わりにやってもらえないし、おやつを分けてもらえなくなる。
そしてそれは未だ納得出来ない。
もし本当に前世であたし達がひとりだったとしたら、今あたし達はひとりじゃ半人前って事になるから。
あたしはあたしで、太陽は太陽なのに、個人として成り立たないって意味になるから。
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