第四話 太陽のボディガード
プロローグ
あたしと太陽は小さい時からずっとずっと、“立場”ってものが逆だった。
男勝りなあたしの後ろに、太陽がくっ付いてきてるって感じで、その関係性はあの……太陽が女恐怖症になるきっかけの事件以来、強くなった気がする。
のんびり屋で優しくて少し抜けてる太陽を、しっかり者で活発なあたしが守ってるって感じ。
いつも太陽と一緒にいたのも、太陽の女恐怖症が大きな原因で、周りの女の子達から太陽を守ってあげなきゃって刷り込みのような思いが強いからだった。
結局表向きだけ“彼氏と彼女”のフリをするのを受け入れたのも、それが一番の理由だったりする。
太陽は女が怖いからって言っても、邪険に扱ったりはしない。
だからこそモテるんだろうけど、怖いくせにちゃんと優しく接する。
「太陽君」と話し掛けられれば、「なに?」と優しく返事をする。
だけど全身で“助けて”ってオーラを出して、あたしにしか分からないSOSを送ってくる。
女の子が近付いて来た日には、あたしの後ろに隠れる感じになるし、女の子に触られた日には、明らかにキョドってる。
そんな太陽だからこそ……太陽がそんな奴だって知ってるからこそ、守ってあげなきゃって思うんだけど、たまにはあたしも女の子だし守られる側に立ってみたいと思う事もある。
でもまぁそんな思いなんて、今更どうにもならないんだろうけど。
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