第5話 バック・トゥ・ジ・ケイオス(散文詩/ナンセンス)

verse.1

大きな火が燃え上がり

一つの海がやがて生まれた

海から人が生まれた


王が人の上に君臨した

王は民を作り上げ

民は国を作り上げた


verse.2

秘密のアジトにて


白のスーツを着た長身の男

女を思わせる繊細な面立ちでらあるが、その鋭い眼差しが君を見据える

彼は懐からベージュ色した葉巻を取り出すと火をつけた


「昔々の話しをしよう。昔といっても100年や200年そこらの話じゃない。まだ宇宙が出来る前の話だ。世界はカオス。無秩序で、すべてのものが存在していると同時にしていなかった。


あるとき変異が起こった。カオスの中から存在が生まれた。それがいわゆる神だ。神は規則を作り、世界を秩序で支配した。秩序は世界に意味を与えた。


だが、秩序があるということは、必要なものを拾い上げ、不要なものを切り捨てるということだ。我々は捨てられた存在だ。我々は神を憎む。我々は憎き神を殺し、そして世界を再びカオスへもどすことを誓った。


神は自分に似せて人を作ったが、我々もまた神を模したものを作ることにする。それを世界を崩壊させる因子としてこの世に放つのだ。いわば我々が作り上げた神=ネオン・ゴッドである。


verse.3

ネオン・ゴッドは歌う

不協和音の歌声で

怒りと悲しみに染み渡る声で

宇宙に響き渡る声で

歌うのはブリトニー・スピアーズの2000年のヒット曲「ウープス・アイ・ディド・イット・アゲイン(あら、またやっちゃった)」


人々は踊る

懐かしいね、往年のヒット曲。

ダンスフロアは白熱する。

燃え上がれ

人々よ

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