概要
ほんとうは人魚はいないんだよ。でもね…
植民地の街セントローレンスでスクーナー船(二本マストの縦帆船)を操るコリンス船長は、ある日、代理領事に呼び出される。昨日、港に着いた客船に乗っていた大富豪のお嬢様が、船の上から人魚を見た。ついては、お嬢様を連れて人魚捜しに行ってほしい、というのが代理領事の話だった。人魚なんているわけがないのに…。船長は、知り合いの女ガートルードに人魚のふりをしてほしいと依頼する。
時代が大きく動き出した一八五〇年代、アジアの海の物語。
夢月七海さま主催の自主企画『同題異話・七月号 人魚と内緒話』参加作です。
https://kakuyomu.jp/user_events/16818093080288698072
すてきな場を作ってくださいまして、ありがとうございます。
時代が大きく動き出した一八五〇年代、アジアの海の物語。
夢月七海さま主催の自主企画『同題異話・七月号 人魚と内緒話』参加作です。
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すてきな場を作ってくださいまして、ありがとうございます。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!19世紀インドから壮大なスケールで描く、小さな出来事
物語は東インド会社が健在だった頃のインドから始まる。物語の題材としてはあまり見かけない舞台設定だが、これが抜群に面白い。生き生きとした情景描写と人間描写は、それが我々の住む現代と地続きであることを感じさせ、ぐいぐい引き込まれてしまう。
カメラはイギリス軍人から現地の女性労働者、富豪のお嬢様へと切り替わり、当時の社会を多角的に捉える。しかしその大きなスケールの中で描かれるのは、人魚を見たいというお嬢様の小さな願望だ。そこに歴史上の大事件を扱った歴史小説にはない凄みがある。リアルな人間の営みを感じさせる。
物語後半では一気に40年が経過し、アメリカ、イギリス、そして日本へ、時代の激動と…続きを読む