黙示録 第14話 命日の章

貴方の命日に 花を一輪捧げましょう

誰も来ぬこの日に 許せぬこの日を悼む

君に捧ぐ仇花

人を疑う事を知らず

強欲な罠に貶められて散った

貴方を散らせたこの慟哭を

取り戻せぬ願いと共に 昏く昏く堕ちてゆく

あの日握った手を 忘れはしない

何故貴方が死ななければいけなかったのか

癒えるはずのない傷の痛みが苛む

貴方の信じる血は 死という名の幻影

理不尽な仕打ちに 心を亡くし全てを糧とした私は

貴方が旅立ってしまった終着点を許せはしない

ひとしずくの涙のあとに

光輝く向こう側に 貴方は笑っていますか

貴方の庭は 今も花が咲いている

なのに 貴方だけが ここにいない



そして その庭も 貴方がいた痕跡すらも

全てが 消されてしまった


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