第9話 黙示録 闇の血脈の章

蒼い月が陰る夜 鴉雀無声(あじゃくむせい)の森に

旧き血の盟約に依りて 黒き神の契約者が佇む

爛れた傷をこぼれた月明かりに掲げ 呪いの詞を吐いてゆく

その眼(まなこ)に光無く ただ空虚な闇が突き抜けていく

根切にされた魂の寄る辺に

交わした小さな約束は 黒き拳に蹂躙され

叶うこと無き願いを 許されぬ願いを

ただ黒く塗り潰され

暗き空に こだましていく

密約の血連なるもの 狂おしい傷を仰ぐ

取り残された悔恨を 咆哮の楔に抉り

沈黙の森に消えゆ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る